たらい回し
「たらい回しにする」などのように使う「たらい回し」という言葉。
「たらい回し」は、訓読みで「たらいまわし」と読みます。
「たらい回し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「たらい回し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
たらい回しの意味
「たらい回し」には次の意味があります。
・人や物、また権利・地位などを、ある限られた範囲内で、順送りにすること。(出典:デジタル大辞泉)
大型のたらいを足に乗せて回すお座敷芸の1つである「たらい回し」が転じて、現在の意味合いになりました。
なお「たらい」は漢字で「盥」と表記します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女は幾人かの高級将校間でたらい回しされているらしいという話だった。
(出典:ドウス昌代『東京ローズ』)
・両親がいなくなって、彼はいろいろなところをたらい回しにされた。
(出典:乙一『きみにしか聞こえない CALLING YOU』)
・両親の死の傷が癒えないうちに、二度もたらい回しにされたことが。
(出典:新堂冬樹『忘れ雪』)
・どうやらたらいまわしが最初のところへ戻ってしまったらしい。
(出典:半村良『となりの宇宙人』)
・テレビ局への電話は結局、三人の人々の間でたらいまわしにされた。
(出典:井田真木子『もうひとつの青春 同性愛者たち』)
類語
・順送り(じゅんおくり)
意味:順を追って次へ送ること。(出典:デジタル大辞泉)
・逓送(ていそう)
意味:人の手から手へ順々に送ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・回送(かいそう)
意味:一度送られてきたものを、改めて他の場所に送ること。(出典:デジタル大辞泉)
・転送(てんそう)
意味:送られてきたものを、さらに他へ送ること。(出典:デジタル大辞泉)
・移送(いそう)
意味:ある所から他の所へ移し送ること。(出典:デジタル大辞泉)