白々しい
「白々しい会話」などのように使う「白々しい」という言葉。
「白々しい」は、訓読みで「しらじらしい」と読みます。
「白々しい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「白々しい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
白々しいの意味
「白々しい」には次の三つの意味があります。
1夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。また、色の白いさま。
2平気でしらばくれたり、見え透いたことを言ったりするさま。
3 興ざめなさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
白々しいの意味①「夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。また、色の白いさま。」
「白々しい」の一つ目の意味は「夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。また、色の白いさま。」です。
夜明けの空が、夜空から朝焼けへ次第に変化していく様を表現した言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・けれど朝の冷やかな大気は室に満ちていて、灯の色は白々していた。
(出典:吉川英治『源頼朝(一)』)
・いずれにしても白々しく華やかなのは、襖に描かれた桜だけだった。
(出典:岩井志麻子『夜啼きの森』)
類語
・朝ぼらけ(あさぼらけ)
意味:夜のほのぼのと明けるころ。夜明け方。(出典:デジタル大辞泉)
・有明(ありあけ)
意味:広く、夜明けをいう。明け方。(出典:デジタル大辞泉)
・黎明(れいめい)
意味:夜明け。明け方。(出典:デジタル大辞泉)
白々しいの意味②「平気でしらばくれたり、見え透いたことを言ったりするさま。」
「白々しい」の二つ目の意味は「平気でしらばくれたり、見え透いたことを言ったりするさま。」です。
わかりやすく言うと、知っていることを知らないふりする、または分かりやすいウソというような意味で使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・白々しいことを聞くことにかけては教会の聖職者の右に出る者はいない。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料Ⅸ 対立の町<下>』)
・離はなれていても見えない糸で繋つながってる的なアレだね、白々しい嘘うそだけど。
(出典:入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 03 死の礎は生』)
・いい姉上だと言ったのがいかにも白々しく、文四郎はその言葉に気がさした。
(出典:藤沢周平『蝉しぐれ』)
類語
・厚顔(こうがん)
意味:面の皮のあついこと。恥知らずでずうずうしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・野面皮(のめんぴ)
意味:図々しいこと。あつかましいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・臆面が無い(おくめんがない)
意味:恥ずかしがったり、遠慮したりする様子がない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
白々しいの意味③「興ざめなさま。」
「白々しい」の三つ目の意味は「興ざめなさま。」です。
つまり、今まで感じていた興味や面白みが薄れる、という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ 心の中は見物が帰って行った跡の劇場のように空虚で、白々していた。
(出典:梶井基次郎『梶井基次郎全一巻』)
・ 列車の去った後急に白々したホームを冷たい早春の風が吹き抜けて行った。
(出典:森村誠一『分水嶺』)
・彼女は頷いたが、何を頷いたのか私にも分らず、ただ白々しい気持ちになった。
(出典:豊島与志雄『憑きもの』)
・そしていやに白々しい空気の中を、娘をドアまで送って行った。
(出典:クイーン/石川年訳『フランス・デパート殺人事件』)
類語
・興覚め(きょうざめ)
意味:今まで抱いていた興味や愉快な雰囲気が失われる。(出典:大辞林 第三版)
・淡泊(たんぱく)
意味:性格や態度がさっぱりしていること。こだわりやしつこさがないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・冷淡(れいたん)
意味:関心や興味を示さないこと。熱心でないこと。また、そのさま。(出典:大辞林 第三版)