誂え向き
「お誂え向きの仕事ぶり」などのように使う「誂え向き」という言葉。
「誂え向き」は、訓読みで「あつらえむき」と読みます。
「誂え向き」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「誂え向き」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
誂え向きの意味
「誂え向き」には次の意味があります。
・(多く「おあつらえむき」の形で)注文どおりであること。希望どおりであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「誂え」は注文して作らせることやそうした品物を指します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・なぜならこの曲は特に彼女へ誂え向きにできているものと思えるからです。
(出典:モーツァルト/服部龍太郎訳『モーツァルトの手紙』)
・こんな仕事が自分に誂え向きかどうか、他人様にわかってたまるもんか。
(出典:カフカ/中井正文訳『変身』)
・きっとどっかに、お前さんにぴったり誂え向きの女がいるに違いないのさ。
(出典:サンド/宮崎嶺雄訳『魔の沼』)
・あなたのような方にとって、宗教ぐらい誂え向きな住みかはない。
(出典:坂口安吾『二十一』)
・誂え向きのものを持って来てくれたに違いない。「僕あ、ピストルのほうがいいや」 と、彼は、大胆にいった。
(出典:ルナール・ジュール『にんじん』)
類語
・便宜(べんぎ)
意味:都合のよいこと。また、そのさま。好都合。(出典:デジタル大辞泉)
・御の字(おんのじ)
意味: 非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。(出典:デジタル大辞泉)
・渡りに船(わたりにふね)
意味:必要な物がそろったり、望ましい状態になったりして好都合なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・そぐう
意味:釣り合う。似合う。(出典:デジタル大辞泉)
・重宝(ちょうほう)
意味:便利で役に立つこと。便利なものとして常に使うこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)