沈痛
「沈痛な面持ち」などのように使う「沈痛」という言葉。
「沈痛」は、音読みで「ちんつう」と読みます。
「沈痛」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「沈痛」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
沈痛の意味
「沈痛」には次の意味があります。
・悲しみを強く感じること。深い悲しみに沈んで、胸を痛めるさま。また、その痛み。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「沈痛」とは、深い悲しみや、心配事に心を痛めることを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分は乞食のやうな風體をしてゐる人を見て一種の沈痛な滿足を感じた。
(出典:阿部次郎『三太郎の日記 第三』)
・それはお志乃の声が、ただごとならず沈痛をきわめていたからであった。
(出典:山田風太郎『外道忍法帖』)
・この句には或る象徴的な、沈痛で暗い宿命的の意味を持った暗示がある。
(出典:萩原朔太郎『郷愁の詩人 与謝蕪村』)
・フェラロ大統領は自分の銃を取り出して、沈痛な顔でそれを見つめていた。
(出典:ハーラン・エリスン『ステンレス・スチール・ラット シリーズ(全5巻) 1 ステンレス・スチール・ラット』)
・ひとりが機械を指差して何か言い、もうひとりが沈痛な物腰で首を振る。
(出典:菊地秀行『トレジャー・ハンター3 エイリアン魔獣境 II』)
類語
・物悲しい(ものがなしい)
意味:なんとなく悲しい。(出典:デジタル大辞泉)
・痛切(つうせつ)
意味:身にしみて強く感じること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・切実(せつじつ)
意味:心に強く感じるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・切切(せつせつ)
意味:心に強く迫るさま。また、心のこもっているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・哀切(あいせつ)
意味:非常に哀れでもの悲しいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)