あくどい
「彼はあくどい性格だ」などのように使う「あくどい」という言葉。
「あくどい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「あくどい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
あくどいの意味
「あくどい」には次の二つの意味があります。
1 色、味、やり方などがしつこい。くどい。
2 やり方や性格などがどぎつくて、たちが悪い。(出典:日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
あくどいの意味①「色、味、やり方などがしつこい。くどい。」
あくどいの一つ目の意味は「色、味、やり方などがしつこい。くどい。」です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・小説もアクドイ翻訳ものか好色本のたぐいでなければ手にしなくなった。(出典:夢野久作『鉄鎚』)
・絵看板のなかで、あくどい色に彩られた多鶴子の顔がイッと笑っていた。(出典:織田作之助『青春の逆説』)
・大阪のあらゆる部分のあくどさを風土的にぬいたものが新潟であつた。(出典:坂口安吾『母を殺した少年』)
・私は眼でその娘の身体に小料理屋の女のあくどい柄のはでな着物を着せてみた。(出典:島尾敏雄『出発は遂に訪れず』)
類語
・派手(はで)
意味:姿・形・色彩などが華やかで人目をひくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・けばけばしい
意味:どぎついまでに派手である。品がなく派手である。(出典:日本国語大辞典)
・しつこい
意味:色彩、味、香りなどが濃厚である。濃厚でわずらわしい。(出典:日本国語大辞典)
・くどい
意味:色彩や味などが濃厚である。(出典:日本国語大辞典)
あくどいの意味②「やり方や性格などがどぎつくて、たちが悪い。」
「あくどい」の二つ目の意味は「やり方や性格などがどぎつくて、たちが悪い。」です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そんなあくどい、残酷な、卑劣なことを彼女にできるはずはありません。(出典:プレヴォ/鈴木豊訳『マノン・レスコオ』)
・しかし、本当の儂はお前が考えているより遥かにあくどい人間なのだ。(出典:森村誠一『大都会』)
・考えもつかんようなあくどいことをやるし、わしもずいぶんひどいことをされたもんだが。(出典:エミリー・ブロンテ/岡田忠軒訳『嵐が丘』)
・とにかく喜平治という男は相当にあくどい商法の綱渡りをしていたようである。(出典:綱淵謙錠『斬(ざん)』)
類語
・狡猾(こうかつ)
意味:わるがしこくてずるいこと。また、そのさま。(出典:日本国語大辞典)
・悪徳(あくとく)
意味:道徳にそむいた悪い行ない、または、悪い心。(出典:日本国語大辞典)
・意地悪(いじわる)
意味:他人、特に弱い者などに冷たいしうちをするさま。ことさら悪意を持っているような態度、様子である。(出典:日本国語大辞典)
・狡賢い(ずるがしこい)
意味:悪知恵がはたらく。(出典:デジタル大辞泉)