弔う
「犠牲者を弔う」などのように使う「弔う」という言葉。
「弔う」は、訓読みで「とむらう」と読みます。
「弔う」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「弔う」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
弔うの意味
「弔う」には次の二つの意味があります。
1 人の死を悲しみいたむ。弔問する。
2 死者のために葬儀・供養・法要を営む。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
弔うの意味①「人の死を悲しみいたむ。弔問する。」
「弔う」の一つ目の意味は「人の死を悲しみいたむ。弔問する。」です。
遺族にお悔やみを言う場合にも用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・人間以外の動物で、何か死者を弔うような行動を示すのはゾウである。
(出典:竹内久美子『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本のこころ』)
・いつか自分が死んだとき、弔ってくれる者が一人でもいるだろうか?
(出典:片山憲太郎『電波的な彼女03』)
・私はこれから十七番目の妹を、存分に弔ってやらなくてはならない
(出典:西尾維新『ニンギョウがニンギョウ』)
・「やっとまともにお母さんを弔ってあげられた」と、母の姉も言っていた。
(出典:宮部みゆき『模倣犯 上』)
類語
・哀悼(あいとう)
意味:人の死を悲しみ悼むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・冥福(めいふく)
意味:死後の幸福。みょうふく。 (出典:大辞林 第三版)
・黙祷(もくとう)
意味:無言のまま心の中で祈ること。(出典:デジタル大辞泉)
・弔意(ちょうい)
意味:人の死を悲しみとむらう気持ち。(出典:大辞林 第三版)
弔うの意味②「死者のために葬儀・供養・法要を営む。」
「弔う」の二つ目の意味は「死者のために葬儀・供養・法要を営む。」です。
亡くなった人の功績や徳を偲んで行う様々な儀式のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・死者を弔う儀式では、そのような仮面をかぶって舞いが舞われたのだろう。
(出典:阿辻哲次『漢字のなりたち物語』)
・彼女はもと八の宮家の女房で、宇治に残って主家の菩提を弔っていた。
(出典:大塚ひかり『源氏の男はみんなサイテー ―親子小説としての源氏物語』)
・郷里の村や町には、戦死者を弔うために、記念碑が建てられます。
(出典:ハーン/平井呈一訳『東の国から』)
・でも、これだけの方が亡くなっている以上、誰かが弔わないといけないわけでしょう。
(出典:小野不由美『屍鬼(下)』)
類語
・鎮魂(ちんこん)
意味:魂を落ち着かせ鎮めること。(出典:デジタル大辞泉)
・慰霊(いれい)
意味:死んだ人の霊魂をなぐさめること。(出典:大辞林 第三版)
・葬式(そうしき)
意味:死者をほうむる儀式。葬儀。葬礼。(出典:デジタル大辞泉)
・菩提(ぼだい)
意味:死後の冥福。(出典:デジタル大辞泉)