仮託
「病気に仮託して面会を拒絶した」などのように使う「仮託」という言葉。
「仮託」は、音読みで「かたく」と読みます。
「仮託」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「仮託」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
仮託の意味
「仮託」には次の意味があります。
・他の事柄を口実にしたり利用したりすること。(出典:日本国語大辞典)
「仮託」とはわかりやすく言うと、「かこつけること、頼りにすること」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・おそらく母は天皇に仮託して泣いていたのだろうと思います。ラジオから流れる音は、それが天皇みたいなものでありさえすれば、雑音でも人の声でもよかったのでしょう。(出典:赤瀬川原平『少年とオブジェ』)
・そう、信じていなかった。信じるという行為に己を仮託できず、自分や世界が変化することをただ恐れた。(出典:福井晴敏『機動戦士ガンダムUC(全10巻) 機動戦士ガンダムUC 10 虹の彼方に(下)』)
・景憲が弾正に仮託してこの書を書いたことには何かそういう根拠があるであろう。(出典:和辻哲郎『埋もれた日本』)
・彼はこうして盲目のまま八月十五日を通過する子どもの視界に彼の文学を仮託する。(出典:加藤典洋『敗戦後論』)
・事実は小説より奇なり、というその事実を小説に仮託して描く。(出典:梶山季之『わが鎮魂歌』)
類語
・見せ掛け(みせかけ)
意味:見せかけること。外見。うわべ。(出典:デジタル大辞泉)
・託ける(かこつける)
意味:直接には関係しない他の事と無理に結びつけて、都合のよい口実にする。(出典:デジタル大辞泉)
・こじつける
意味:関係のない物事を無理に理由をつけ関係づける。(出典:デジタル大辞泉)
・名目(めいもく)
意味:見せかける表向きの理由。口実。(出典:デジタル大辞泉)