百里を行く者は九十を半ばとす
「百里を行く者は九十を半ばとすというから最後まで気を抜くな」などのように使う「百里を行く者は九十を半ばとす」という言葉。
「百里を行く者は九十を半ばとす」は、「ひゃくりをいくものはきゅうじゅうをなかばとす」と読みます。
「百里を行く者は九十を半ばとす」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「百里を行く者は九十を半ばとす」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
百里を行く者は九十を半ばとすの意味
「百里を行く者は九十を半ばとす」には次の意味があります。
・何事も終わりのほうほど困難であるから、九分どおりまで来てやっと半分と心得、最後まで気をゆるめるな、という戒めの言葉。(出典:デジタル大辞泉)
『戦国策―秦策』に引用されている、中国の古い詩の一節から生まれた言葉です。
目標を達成するための心得として、最後の最後で油断をしてしまわないよう、「あともう少しで終わりだ」というおごる気持ちを持たないよう、戒めの意味で用いられます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「合格間違いなしですね。」「いいや。百里を行く者は九十を半ばとすというから、試験当日までしっかり勉強するよ。」
・百里を行く者は九十を半ばとすというように、家に着くまでが遠足です。
・それまでかなり練習をしていたから十分だと思って前日は休みにしたら、本番で失敗してしまった。まさに百里を行く者は九十を半ばとすだと思った。
・ほぼほぼ完成をしていたが、百里を行く者は九十を半ばとすというように、最後までこだわって作ろうと、改めて気を引き締めて作業にとりかかった。
・「明日にはもう終わりますか?」「百里を行く者は九十を半ばとすというから、最後までしっかりやりたいんだ。締め切りは明後日にしてくれないか?」
類語
・油断大敵(ゆだんたいてき)
意味:油断は失敗のもとであるから、恐ろしい敵であるということ。油断することをいましめたことば。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・善く泳ぐ者は溺れ、善く騎る者は落つ(ものはおぼれ、よくのるものはおつ)
意味:得意とすることでは、油断をしてかえって失敗することが多いから、注意せよ、という戒めのことば。(出典:故事成語を知る辞典)
・勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)
意味:戦いに勝っても油断することなく、また、成功しても慢心することなく、用心深く事に当たれ。(出典:ことわざを知る辞典)
・得手に鼻突く(えてにはなつく)
意味:自分の得意とするものだと気をゆるし、かえって失敗するたとえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・磯際で船を破る(いそぎわでふねをわる)
意味:物事がもう一歩で成就しようとするときに失敗することのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)