一文無し
「ギャンブルで失敗して一文無しになってしまった」などのように使う「一文無し」という言葉。
「一文無し」は、「いちもんなし」と読みます。
「一文無し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一文無し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一文無しの意味
「一文無し」には次の意味があります。
・全くお金を持っていないこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
「一文無し」とは、所持金が全然ないことや、その人のことを言います。一文とは、昔の貨幣の単位のことで、それが無いということは、わずかなお金さえも持っていないと言うことを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二十数年前、けんかで腹を刺された一文無しの男が病院に運び込まれた。
(出典:篠田節子『死神』)
・金持ちが一文無しになっても、そのことで人間でなくなることはない。
(出典:プラトン/戸塚七郎訳『饗宴』)
・あなたとおなじように一文無しだった彼に、どうしてそんな余裕がありましたか?
(出典:シムノン/長島良三訳『メグレ氏ニューヨークへ行く』)
・しかしそれを今ここで買って了しまえば、明日は一文無しで暮さなければならぬ。
(出典:島崎藤村『破戒』)
・もう一度一文無しの宿無しから出発しなければ、僕は絶対に書けないんだ。
(出典:森瑤子『別れの予感』)
類語
・無一文(むいちもん)
意味:一文の銭もないこと。金銭を全然持っていないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・おけら
意味:所持金のないこと。一文なし。(出典:デジタル大辞泉)
・身一つ(みひとつ)
意味:自分のからだだけであること。また、自分ひとりだけであること。(出典:デジタル大辞泉)
・文無し(もんなし)
意味:所持金が全くないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・素寒貧(すかんぴん)
意味:貧乏で何も持たないこと。まったく金がないこと。また、そういう人や、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)