旅愁
「しみじみと旅愁を感じる」などのように使う「旅愁」という言葉。
「旅愁」は、音読みで「りょしゅう」と読みます。
「旅愁」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「旅愁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
旅愁の意味
「旅愁」には次の意味があります。
・旅先で感じるわびしい思い。たびのうれい。客愁。(出典:デジタル大辞泉)
つまり、「旅愁」は「旅行中に感じる物寂しい思い」を表します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・けれども、それが消えると、又元のような旅愁が彼女の心に入って来る。
(出典:宮本百合子『「禰宜様宮田」創作メモ』)
・そのはるかなものを見ている彼女の眼には空もなければ山も海も、まして人間の旅愁なんて何もない。
(出典:林芙美子『新版 放浪記』)
・夕暮れどきのせいか、ちょっとホロリとなりそうな旅愁を感じさせた。
(出典:内田康夫『怪談の道』)
・小さなトランクひとつ持たない風変りな旅行者の一種独特な旅愁。
(出典:堀辰雄『旅の絵』)
・それがかすかながら、私の心に、旅愁とも云ふべき寂しさを運んで来た。
(出典:芥川竜之介『槍ヶ岳紀行』)
類語
・旅情(りょじょう)
意味:旅に出て感じるしみじみとした思い。旅の情趣。(出典:デジタル大辞泉)
・旅心(たびごころ)
意味:旅をしているときの心持ち。(出典:デジタル大辞泉)
・旅心地(たびごこち)
意味:旅をしている時の気持。常の住まいを離れて他の所にいる心情。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・客愁(かくしゅう)
意味:旅先でのわびしい思い。(出典:デジタル大辞泉)
・旅懐(りょかい)
意味:旅人としての思い。(出典:デジタル大辞泉)