鎧戸
「鎧戸を開ける」などのように使う「鎧戸」という言葉。
「鎧戸」は、訓読みで「よろいど」と読みます。
「鎧戸」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鎧戸」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
鎧戸の意味
「鎧戸」には次の意味があります。
・鎧板と呼ばれる横に細長い板を、一定の傾斜をつけて何枚も平行に取り付けた戸。日よけ・目隠しとなり、同時に通風・換気ができる。特に、雨戸など屋外に面して取り付けたものをいうことが多い。「がらり戸」ともいう。(出典:家とインテリアの用語がわかる辞典)
間隔をおいて横板を掛け重ねた戸のことを指します。
また、防犯・防火などのため窓や入り口に取り付ける金属製の巻き上げ式の扉であるシャッターのことを指す言葉でもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は不意に心配そうな表情になって、鎧戸のしまっている窓を見あげた。
(出典:メイスン/守屋陽一訳『矢の家』)
・それで初めは鎧戸だったものが、ついには板戸となったありさまである。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・鎧戸はあがっていたので、家の人がブリッジをしているのが、見えたわ。
(出典:クリスティ/小西宏訳『「ポワロ参上!」4』)
・今ではもう庭はきらいになり、庭側の鎧戸はしめっぱなしになっていた。
(出典:フローベール/白井浩司訳『ボヴァリー夫人』)
・家には、鍵がかかり、窓には、鎧戸が降りて、人のいる気配がなかった。
(出典:モンゴメリ/神山妙子訳『アンの青春』)
類語
・繰戸(くりど)
意味:雨戸など、1本の溝を通して戸袋から順に1枚ずつ出し入れする戸。(出典:デジタル大辞泉)
・鉄扉(てっぴ)
意味:鉄製のとびら。(出典:デジタル大辞泉)
・観音開き(かんのんびらき)
意味:左右の扉が中央から両側へ開くように作った開き戸。観世音を納める厨子の戸をまねたもの。(出典:デジタル大辞泉)
・戸障子(としょうじ)
意味:雨戸と障子。また一般に、建具をさしていう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・シャッター(shutter)
意味:金属製の巻き上げ式扉。よろい戸(出典:精選版 日本国語大辞典)