水掛け論
「水掛け論に過ぎない」などのように使う「水掛け論」という言葉。
「水掛け論」は、訓読みで「みずかけろん」と読みます。
「水掛け論」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「水掛け論」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
水掛け論の意味
「水掛け論」には次の意味があります。
・両者が互いに自説にこだわって、いつまでも争うこと。また、その議論。互いに自分の田に水を引こうと争うことからとも、水の掛け合いのように勝敗の決め手のない論争の意からともいう。(出典:デジタル大辞泉)
「水掛け論」とは、互いに相手に譲歩することをせず、自己主張だけを押し通そうとし、一向に議論が進展しないことを言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・うしろ暗いことなんかないといってみたところで、しょせん水かけ論だからである。
(出典:久生十蘭『キャラコさん』)
・なぜなら、これは原理的に水かけ論にならざるをえない論理構成になっているからだ。
(出典:加藤典洋『敗戦後論』)
・政治に文化性がないと云ふと、それでは文学には政治性があるかといふやうな、水かけ論がいつまでも続くやうでは駄目なのであります。
(出典:岸田国士『宗教と科学についての所感』)
・綸太郎は完全に疑いを捨てたわけではなかったが、これ以上たずねても、水掛け論になるばかりである。
(出典:法月綸太郎『生首に聞いてみろ』)
・今やこの二人の間には共通の認識が出来上がっていて、無駄な水掛け論が交わされる事はないだろう。
(出典:京極夏彦『魍魎の匣』)
類語
・問い質す(といただす)
意味:疑問・不審の点について、納得するまで質問し、明らかにする。また、真実を言わせようと厳しく追及する。(出典:デジタル大辞泉)
・押し問答(おしもんどう)
意味:互いに自分の見解を主張して、あとにひかず言い争うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・一問一答(いちもんいっとう)
意味:一つの質問に対して一つの答えをすること。転じて、質問と返答とをかわるがわる行うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・自問自答(じもんじとう)
意味:自分で問いかけ、自分で答えること。(出典:デジタル大辞泉)
・打診(だしん)
意味:相手の意向を確かめるために、前もってようすをみること。(出典:デジタル大辞泉)