空疎
「空疎な言葉」などのように使う「空疎」という言葉。
「空疎」は、音読みで「空疎」と読みます。
「空疎」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「空疎」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
空疎の意味
「空疎」には次の意味があります。
・見せかけだけでしっかりした内容や実質がないこと。また、そのさま。空虚。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「空疎」は「ちゃんとした内容がなく、うわべだけであること」を指します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・空疎な概念として心理の変化を主張していても、まだ身についていない。
(出典:坂口安吾『新らしき性格感情』)
・なまじ特殊な技術を身につけたために、本当の己れが空疎になっていた。
(出典:井伏鱒二『小説日本芸譚』)
・この世界は無感動な動きのない空疎が支配することになっていった。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
・それは空疎なことであって、何の蓄積をもその人にもたらさないであろう。
(出典:堀田善衞『スペインの沈黙』)
・どこまでも空疎に、しかし澄んだまま響いていきそうな哀しい声だった。
(出典:岩井志麻子『黒焦げ美人』)
類語
・空虚(くうきょ)
意味:実質的な内容や価値がないこと。むなしいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・空漠(くうばく)
意味:実質や中心がなく、漠然としていること。つかみどころがないこと。とりとめがないこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・有名無実(ゆうめいむじつ)
意味:名ばかりで、それに伴う実質のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・見掛け倒し(みかけだおし)
意味:外見はすぐれているが、実質は劣っていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)
意味:羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売る。外見と内容が違うこと、見せかけが立派でも実質がそれに伴わないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)