大器晩成
失敗が多くて落ち込んでいる時に「あなたは大器晩成型」と言われて救われる思いをする人も多いのではないでしょうか。
読み方は「大きい器(うつわ)」は「晩く(おそく)成る(なる)」と書いて「たいきばんせい」です。
由来は紀元前(春秋戦国時代)の中国の哲学者・老子(ろうし)の言葉。
この記事では「大器晩成」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながらわかりやすく解説していきます。
大器晩成の意味
大器晩成には次の意味があります。
・大きな器は早くは完成しない意。大人物となる人間は、普通より遅く大成するということ。 (出典:大辞林)
「大器晩成」を分かりやすく言うと「誰もが認める立派な人物となる人間は、ゆっくり時間をかけて成長し、完成する」という意味です。
例えば、「あなたは大器晩成型だ」という場合は「あなたは大物だからゆっくり時間をかけて成長し、完成するタイプだ」といった意味になります。
小説などでの具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・昔からいわれております大器晩成型も大いに尊重されなければならない時代になるのではないかと思うのであります。 (出典:湯川秀樹『創造的人間』)
・大器晩成というか、競馬によってある人格が発掘されたというか。(出典:山口瞳『草競馬流浪記』)
・大器晩成型の頼朝は、文覚によって〝化学変化〟を起こした。(出典:青木雨彦『平家物語の知恵』)
・大器晩成の自信があるんだ。早く毛虫に這いのぼられる程の身分になりたい。(出典:太宰治『失敗園』)
・二度目なので、さすがに少々てれてはいたが、二三日すると、どこで覚えて来たのか、「大器晩成だよ」などと言って、けろりとしていた。(出典:下村湖人『次郎物語』)
類語
・遅咲き(おそざき)
意味:世に出るのに時間のかかった人をたとえていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・苦労人(くろうにん)
意味:いろいろの苦労を経験し、世間の事情に通じた人。(出典:大辞林 第三版)
・悠長(ゆうちょう)
意味:動作や態度などが落ち着いていて気の長いこと。(出典:デジタル大辞泉)
・晩学(ばんがく)
意味:年をとってから学問に志すこと。(出典:デジタル大辞泉)