玄妙
「玄妙な作品」などのように使う「玄妙」という言葉。
「玄妙」は、音読みで「玄妙」と読みます。
「玄妙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「玄妙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
玄妙の意味
「玄妙」には次の意味があります。
・道理や技芸などが、奥深く微妙なこと。趣が深くすぐれていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、繊細かつ複雑で趣深く、言葉で言い表せないほど素晴らしいとする言葉です。
芸術作品などを評価するときに使われます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・魚の味はなかなか玄妙で、見た目だけではとてもわからないところがある。
(出典:開高健『最後の晩餐』)
・宇宙間に於ける至大至高の玄妙がこの中に含まれているのだからね。
(出典:夢野久作『「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能』)
・物体たちの動きはさらに複雑かつ玄妙となり、なにかの意志を伝えるかのごとく思われた。
(出典:森岡浩之『星界シリーズ 2 守るべきもの』)
・一体当時の人々にとって、音楽というものは一種の霊的な、玄妙のものであったろう。
(出典:福永武彦『第一随筆集 別れの歌』)
・さういふ玄妙なものを書ける子供が滅多にゐるはずがないのは、明らかではないか。
(出典:丸谷才一『日本語のために』)
類語
・妙(みょう)
意味:いうにいわれぬほどすぐれていること。きわめてよいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・霊妙(れいみょう)
意味:人知でははかり知れないほどに、奥深くすぐれていること。神秘的な尊さをそなえていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・妙趣(みょうしゅ)
意味:すぐれたおもむき。非常にすばらしい味わい。(出典:デジタル大辞泉)
・微妙(びみょう)
意味:趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・深奥(しんおう)
意味:おくぶかいこと。究極のところ。また、そのところやさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)