耽溺
「酒に耽溺する」などのように使う「耽溺」という言葉。
「耽溺」は、音読みで「たんでき」と読みます。
「耽溺」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「耽溺」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
耽溺の意味
「耽溺」には次の意味があります。
・一つのことに夢中になって、他を顧みないこと。多く不健全な遊びにおぼれることにいう。(出典:デジタル大辞泉)
「酒に耽溺する」は「酒に夢中になり、他を顧みなくなる」という意味になります。
「耽溺」は、あまり良い意味では使いません。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「わたしの耽溺しているのはただ酒だけではありません」と彼は語った。
(出典:アンダスン/山屋三郎訳『ワインズバーグ・オハイオ』)
・きっと家の中で、本当に書物に耽溺するようにして過ごしているのだろう。
(出典:小野不由美『屍鬼(上)』)
・メリヒムは色恋に熱くなってはいても、耽溺はしていなかったのだった。
(出典:高橋弥七朗『灼眼のシャナ 第10巻』)
・なるほど、かく言うわれも邪悪なる術の領域に深く耽溺したものではある。
(出典:R・E・ハワード『征服王コナン』)
・そいつを除いておいて、私はもっぱら忍耐に耽溺していたのかも知れない。
(出典:小島信夫『アメリカン・スクール』)
類語
・溺れる(おぼれる)
意味:理性を失うほど夢中になる。心を奪われる。ふける。(出典:デジタル大辞泉)
・凝る(こる)
意味:ある物事に熱中して打ち込む。ふける。(出典:デジタル大辞泉)
・惑溺(わくでき)
意味:ある事に夢中になり、本心を奪われること。(出典:デジタル大辞泉)
・熱烈(ねつれつ)
意味:熱心ではげしいこと。感情がたかぶってはげしいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・傾倒(けいとう)
意味:興味をもち夢中になること。また、心から尊敬し、慕うこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)