淡白
「淡白な人」などのように使う「淡白」という言葉。
「淡白」は、音読みで「たんぱく」と読みます。
「淡白」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「淡白」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
淡白の意味
「淡白」には次の二つの意味があります。
1 物の感じ・味などが、あっさりしている・こと。
2 物事にこだわらず、さっぱりしている・こと。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
淡白の意味①「物の感じ・味などが、あっさりしている・こと。」
「淡白」の一つ目の意味は「物の感じ・味などが、あっさりしている・こと。」です。
「淡白な味」で「あっさりしている味」という意味になります。
例えば、口の中に後味が残らないような白身魚などが「淡泊」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・したがって大変淡白な味だが、その淡白さの中に得も言えぬ滋味がある。
(出典:五味康祐『五味康祐オーディオ遍歴』)
・アユでもハモでも、季節のいろどりのように、淡白さを賞めでられている。
(出典:田辺聖子『ヨーロッパ横丁たべあるき』)
・スッポンのスープは強いものなのだから口よごしは淡白なものがいいだろうか。
(出典:開高健『新しい天体』)
・ムネ・シユリイは「何か淡白した夜食を一緒に取らう」と言出した。
(出典:与謝野寛『巴里より』)
類語
・薄味(うすあじ)
意味:うすい味つけ。あっさりした味つけ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・アッサリ
意味:人の性質や事物の状態などがしつこくないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・サッパリした
意味:不快感やわだかまりなどが消えて気持ちのよいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・すっきりした
意味:よけいなものがないさま。(出典:デジタル大辞泉)
淡白の意味②「物事にこだわらず、さっぱりしている・こと。」
「淡白」の二つ目の意味は「物事にこだわらず、さっぱりしている・こと。」です。
「淡白な人」で「物事にこだわらない人」という意味になります。
例えば、人やお金などに対して全然執着しない人が「淡泊な人」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・宗子は淡白な性質で、あんまりぼくの世話を焼くほうではありませんでした。
(出典:松本清張『証明』)
・いや、落ち着いた雰囲気というよりもむしろ物事に無感動な淡白さがある。
(出典:暁works『るいは智を呼ぶ③ 鳴滝こより』)
・最近の若者は性的に淡白である、という風説が立ち始めたのは三四年前だったろうか。
(出典:松浦理英子『優しい去勢のために』)
・部屋も、飼い猫への愛情も、僕への接し方も一言で言って淡白だった。
(出典:山本文緒『紙婚式』)
類語
・サバサバした
意味:物事にこだわらず、あっさりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・楽観的(らっかんてき)
意味:物事をうまくゆくものと考えて心配しないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・恬淡(てんたん)
意味:欲が無く、物事に執着しないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・プラス思考(ぷらすしこう)
意味:何事においても、何とかなるものだなどと良い方向に考えが向くこと。(出典:デジタル大辞泉)