失笑
「思わず失笑する」などのように使う「失笑」という言葉。
「失笑」は、音読みで「しっしょう」と読みます。
「失笑」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「失笑」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
失笑の意味
「失笑」には次の意味があります。
・思わず笑い出してしまうこと。おかしさのあまり噴き出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
「失笑」本来の意味は、笑ってはいけない場面で「思わず笑ってしまうこと」という意味です。
しかし、現代では「笑いもでないほどあきれること」という意味で解釈している人が増えているようです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・床に伏せた私は、その自分の姿が喜劇的にみえてきて、思わず失笑した。
(出典:大藪春彦『名のない男』)
・奇妙な光景ではあったが失笑する余裕のある者はいなかった。
(出典:伏見健二『サイレンの哀歌が聞こえる』)
・それは罪のない無邪気な発言だったが、さすがに会場の全員が失笑した。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!短編集06 あてにならない六法全書?』)
・後日、思い出して失笑する者もいたが、そのときは全員が真剣であった。
(出典:伏見健二/高井信/山本弘『妖魔夜行 魔獣めざめる』)
・神経衰弱にかかった豚だと失笑したくなるのだが、笑いが声にならない。
(出典:開高健『(耳の物語2) 夜と陽炎』)
類語
・呆れる(あきれる)
意味:意外さ・はなはだしさに驚く。(出典:大辞林 第三版)
・苦笑(くしょう)
意味:しかたなく笑うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・憫笑(びんしょう)
意味:あわれみ笑うこと。(出典:大辞林 第三版)
・物笑い(ものわらい)
意味:人の言動などをあざけり笑うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・せせら笑う(せせらわらう)
意味:ばかにして笑う。(出典:デジタル大辞泉)