戯れ
「小鳥の戯れ」などのように使う「戯れ」という言葉。
「戯れ」は、訓読みで「たわむれ」と読みます。
「戯れ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「戯れ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
戯れの意味
「戯れ」には次の三つの意味があります。
1 遊び興じること。遊戯。
2 ふざけること。冗談。また、本気ではなくて、遊び半分なこと。
3 男女がいちゃつくこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
戯れの意味①「遊び興じること。遊戯。」
「戯れ」の一つ目の意味は「遊び興じること。遊戯。」です。
「小鳥の戯れ」で「小鳥が遊ぶこと」という意味になります。
純粋に遊びそのものを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「夏の海で少女は波と戯れていた」という短い文章を考えてみるがいい。
(出典:山本弘『まだ見ぬ冬の悲しみも』)
・少年はこんなことを思い出しながら他の生徒たちの戯れ合うのを見ていた。
(出典:きだ・みのる『道徳を否む者』)
・いくつになっても、気持ちは四歳の拓海と戯れていたときの少女のまま。
(出典:新堂冬樹『ある愛の詩』)
類語
・遊戯(ゆうぎ)
意味:遊びたわむれること。(出典:デジタル大辞泉)
・巫山戯(ふざけ)
意味:ふざけること。(出典:デジタル大辞泉)
・嬉戯(きぎ)
意味:うれしそうに遊び戯れること。(出典:デジタル大辞泉)
戯れの意味②「ふざけること。冗談。また、本気ではなくて、遊び半分なこと。」
「戯れ」の二つ目の意味は「ふざけること。冗談。また、本気ではなくて、遊び半分なこと。」です。
「戯れに言う」で「ふざけて言う」という意味になります。
真剣ではないという意味での遊びです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼が戯れに空想したと同じようなことが、実際あの箱の中にあったのだ。
(出典:横溝正史『悪魔の設計図』)
・だが、それでもやはり彼は世界を支配し、戯れに皆を殺すかも知れない。
(出典:縞田理理『霧の日にはラノンが視える4』)
・白状すると、私は戯れに何度かこの首とくちづけをしてみたことがある。
(出典:倉橋由美子『倉橋由美子の怪奇掌篇』)
類語
・道化(どうけ)
意味:人を笑わせるようなこっけいな身ぶりや言葉。(出典:デジタル大辞泉)
・戯言(ぎげん)
意味:ふざけて言う言葉。(出典:大辞林 第三版)
・洒落(しゃら)
意味:戯れにすること。冗談事。(出典:デジタル大辞泉)
戯れの意味③「男女がいちゃつくこと。」
「戯れ」の三つ目の意味は「男女がいちゃつくこと。」です。
「彼女と戯れる」で「彼女といちゃつく」という意味になります。
暗に性交を意味する場合もあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私はもはや大衆小説を読まず、映画もみなければ女の子にも戯れなかった。
(出典:中山義秀『碑・テニヤンの末日』)
・僕は何度も冷静さを取り戻そうとしたが、そのたびに彼女の微かな温もりが僕の胸を締めつけた。たった一度の戯れが、こんなにも僕を苦しめるなんて思いもしなかった。
(出典:尾崎豊『黄昏ゆく街で』)
・枕型のものがおかれているところを見ると、ここでうつ伏せになりマッサージでもしてもらうのか、あるいはバスルームで、セックスも楽しめるという仕掛けかもしれない。 こんなところで霞と一緒に戯れたら、と思うが、いまの状態では難しい。
(出典:渡辺淳一『ひとひらの雪(下)』)
類語
・情交(じょうこう)
意味:男女の交際が進んで肉体的交わりを結ぶこと。 (出典:大辞林 第三版)
・情事(じょうじ)
意味:恋愛に関する事柄。いろごと。(出典:デジタル大辞泉)
・性交(せいこう)
意味:性的まじわり。(出典:デジタル大辞泉)