潔癖
「潔癖で、何度も手を洗う」などのように使う「潔癖」という言葉。
「潔癖」は、音読みで「けっぺき」と読みます。
「潔癖」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「潔癖」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
潔癖の意味
「潔癖」には次の二つの意味があります。
1 少しの不潔もきらう性癖。また、そのさま。
2 不正なことをひどくきらう性質。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
潔癖の意味①「少しの不潔もきらう性癖。また、そのさま。」
「潔癖」の一つ目の意味は「少しの不潔もきらう性癖。また、そのさま。」です。
汚いものを嫌う人の性格のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それは娘らしい潔癖さであり、母への同情であり、父への嫉妬でもあった。
(出典:石川達三『青春の蹉跌』)
・バックはもとの生活の特徴であった潔癖をすみやかに失ってしまった
(出典:ロンドン/山本政喜訳『野性の叫び』)
・新進作家には、それぐらいの潔癖があってもいいと思ったのである。
(出典:太宰治『断崖の錯覚』)
・けれど彼は、子どもじみた潔癖さで、泥酔女だけは許そうとしないのだ。
(出典:角田光代『太陽と毒ぐも』)
類語
・清潔(せいけつ)
意味:汚れがないこと。衛生的であること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・清逸(せいいつ)
意味:清くすぐれていること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・清浄(せいじょう)
意味:清らかでけがれのないこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・綺麗(きれい)
意味:よごれがなく清潔なさま。(出典:デジタル大辞泉)
潔癖の意味②「不正なことをひどくきらう性質。また、そのさま。」
「潔癖」の二つ目の意味は「不正なことをひどくきらう性質。また、そのさま。」です。
正しくない欺瞞や不公正を嫌がる気質のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・むろん、江戸から悪所を排斥しようとするほど潔癖ではなさそうだった。
(出典:冲方丁『光圀伝』)
・いや、むしろ功績を独り占めするようで、後ろめたいとさえ思っていたふしがある。照れ屋ということもあろうが、潔癖な男であったことは確かである。
(出典:高杉良『生命燃ゆ』)
・人身売買を非難する教会の潔癖な教えが、初めて理解できるような気がした。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料V』)
・かういふ潔癖にして率直な一休に反つて心をよせる堺衆もあつたといふ。
(出典:唐木順三『千利休』)
類語
・律儀(りちぎ)
意味:きわめて義理堅いこと。実直なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・真面目(まじめ)
意味:真心のあること。誠実であること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・堅実(けんじつ)
意味:手堅く確実なこと。確かであぶなげのないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・質実剛健(しつじつごうけん)
意味:飾り気がなく、まじめで、強くてたくましいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)