クリティカル
「クリティカル・シンキング」などのように使う「クリティカル」という言葉。
英語では「critical」と表記します。
「クリティカル」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「クリティカル」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
クリティカルの意味
「クリティカル」には次の二つの意味があります。
1 検討を加え、評価するさま。批判的。
2 きわめて危ない状態であるさま。危機に瀕しているさま。重大な。危機的。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
クリティカルの意味①「検討を加え、評価するさま。批判的。」
「クリティカル」の一つ目の意味は「検討を加え、評価するさま。批判的。」です。
「クリティカル・シンキング」で「批判的な視点でよく検討する考え方」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だから之は一定段階の理論の後から行なわれるクリティカルな実験でなければならぬ。
(出典:戸坂潤『技術の哲学』)
・それは文学としてのクリティカルなエッセイということである。
(出典:戸坂潤『思想と風俗』)
・音楽学には、ある曲の楽譜の異本を照合して、 一つのクリティカル・エディションをつくるしごとがあった。
(出典:高橋悠治『音楽の反方法論序説』)
・ちょっと斜に構えたクリティカルな距離だ。
(出典:鷲田清一『てつがくを着て、まちを歩こう ―ファッション考現学』)
類語
・批判的(ひはんてき)
意味:批判する態度や立場をとるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・懐疑的(かいぎてき)
意味:ある事柄に対して疑う傾向にあるさま。また、疑いをもって物事に接する傾きのあるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・客観的(きゃっかんてき)
意味:特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・論理的(ろんりてき)
意味:論理にかなっているさま。論理を追って考えるさま。(出典:大辞林 第三版)
クリティカルの意味②「きわめて危ない状態であるさま。危機に瀕しているさま。重大な。危機的。」
「クリティカル」の2つ目の意味は「きわめて危ない状態であるさま。危機に瀕しているさま。重大な。危機的。」です。
2つ目の意味では、深刻な危険が及んでいる状況に対して使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ですが原子炉は複雑でクリティカルなシステムですから、機関士には機関士の仕事があるんです。
(出典:野尻抱介『太陽の簒奪者』)
・クリティカルヒット時の惨状を思い浮かべ、俺はぞっとした。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 01 鬼隠し編』)
・右手の指に、一撃でクリティカルポイントを射抜き、仕留めたという確かな手応えがあった。
(出典:九里史生『SAO Web 03』)
・飛行の最も重要でクリティカルな部分が矢継ぎ早に起きるので、船内は急に慌ただしくなった。
(出典:野尻抱介『ロケットガール 03』)
類語
・危機(きき)
意味:悪い結果が予測される危険な時・状況。あやうい状態。(出典:デジタル大辞泉)
・ピンチ
意味:さしせまった事態。危機。窮地。(出典:大辞林 第三版)
・致命的(ちめいてき)
意味:命とりとなるようなさま。また、とり返しのつかない大きな損害や失敗などのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・クライシス
意味:危機。重大局面。特に、経済上の危機。(出典:デジタル大辞泉)