情趣
「情趣を感じる」などのように使う「じょうしゅ」という言葉。
「情趣」は、音読みで「じょうしゅ」と読みます。
「情趣」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「情趣」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
情趣の意味
「情趣」には次の意味があります。
・しみじみと落ち着いた気分やおもむき。(出典:デジタル大辞泉)
「情趣」をわかりやすくいうと、心の深くが落ち着いたり落ち着く方に向かったりするおと、という意味をもつ言葉になります。
物事の落ち着いた様子や変化などをあらわすときにもつかわれる言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・昼間の空港には見られない情趣といえるだろう。
(出典:西村京太郎『夜間飛行(ムーンライト)殺人事件』)
・単に列挙しているだけとみえて、秋の情趣をしっとり立ちのぼらせている。
(出典:大岡信『名句歌ごよみ〔秋〕』)
・しみじみした情趣をおぼえて、源氏はかき鳴らさずにいられなかった。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)
・ともに北国のおそい春であるが、それにもまた捨てがたい情趣がある。
(出典:中谷宇吉郎『北国の春』)
・日本の春の美の一部がさっと本来の情趣をもって私の心を魅するであろう。
(出典:宮本百合子『塵埃、空、花』)
類語
・風情(ふぜい)
意味:風流・風雅の趣・味わい。情緒。(出典:デジタル大辞泉)
・趣き(おもむき)
意味:そのものが感じさせる風情。しみじみとした味わい。(出典:デジタル大辞泉)
・味わい(あじわい)
意味:おもむき。妙味。(出典:デジタル大辞泉)
・余韻(よいん)
意味:事が終わったあとも残る風情や味わい。(出典:デジタル大辞泉)
・しみじみ
意味:心に深く感じいるさまを表わす語。しんみり。(出典:精選版 日本国語大辞典)