針の筵
「現状はまるで針の筵だ」などのように使う「針の筵」という言葉。
「針の筵」は、訓読みで「はりのむしろ」と読みます。
「針の筵」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「針の筵」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
針の筵の意味
「針の筵」には次の意味があります。
・一時も心の休まらない、つらい場所や境遇のたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
「筵」は「敷物」のことです。
立っている場所が剣山の敷物の上であるような、耐え難い状態であることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それからの両親は針のむしろに座っているかのようだった。
(出典:群ようこ『無印結婚物語』)
・俺はそんなところに行って針のむしろになるつもりはない。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜-53 happy day,happy place』)
・仕事どころでなく、家の中は針のむしろに坐っているようだった。
(出典:松本清張『虚線の下絵』)
・それから再開された練習はというと、当然針のむしろだった。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 1』)
・これなら夫が生きてるかぎり針のむしろが続くだろう。
(出典:家田荘子『極道の妻たち』)
類語
・居たたまれない(いたたまれない)
意味:それ以上その場所にとどまっていられない。また、それ以上がまんできない。(出典:デジタル大辞泉)
・気が気でない(きがきでない)
意味:気にかかって心が落ち着かない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・面目ない(めんぼくない)
意味: 恥ずかしくて、人に合わせる顔がないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・四面楚歌(しめんそか)
意味:周囲が敵、反対者ばかりで味方のないことのたとえ。(出典:四字熟語を知る辞典)
・苦境(くきょう)
意味:苦しい立場。苦しい境遇。(出典:精選版 日本国語大辞典)