声色
「声色をまねる」などのように使う「声色」という言葉。
「声色」は、訓読みで「こわいろ」と読みます。
「声色」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「声色」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
声色の意味
「声色」には次の二つの意味があります。
1 声の音色。声の調子。こわね。
2 他人、特に役者や有名人のせりふ回しや声をまねること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
声色の意味①「声の音色。声の調子。こわね。」
「声色」の一つ目の意味は「声の音色。声の調子。こわね。」です。
多く、声の音だけでなく、調子や心情を含んで用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・声色には厳しいものが含まれていたため、俺はへらへらと笑って過ごした。
(出典:海原育人『ドラゴンキラーいっぱいあります (shift-JIS)』)
・声色から、私の必死な思いを汲み取ってくれるのを祈るしかなかった。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 8 祭囃し編』)
・口しか見えないから本当に不満顔かどうかはわからないが、不満そうな声色だからそう思う。
(出典:事務狂『fate/stay night 月姫 (TYPE-MOONクロスオーバーの最高峰、文庫5~6巻のボリューム)』)
類語
・声つき(こわつき)
意味:声のようす。こえつき。(出典:デジタル大辞泉)
・声調(せいちょう)
意味: 話したり歌ったりするときの声の調子。(出典:デジタル大辞泉)
・肉声(にくせい)
意味:人工的に作り出された音声に対し、人が出す声。(出典:デジタル大辞泉)
声色の意味②「他人、特に役者や有名人のせりふ回しや声をまねること。」
「声色」の二つ目の意味は「他人、特に役者や有名人のせりふ回しや声をまねること。」です。
わかりやすく言えば「声のものまね」のことで、「声帯模写(せいたいもしゃ)」とも言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・他の方が蝙蝠安をやっても、何か松助さんの声色をみんなお使いになるんです。
(出典:尾上松緑『松緑芸話』)
・声色を遣うことは考えていたけれど、相手にはどう聞こえているかは分からない。
(出典:楡周平『フェイク』)
・ラジオや寄席の声帯模写にもしばしば私の声の声色が登場して苦笑している。
(出典:日本経済新聞社『私の履歴書』)
・声だけではなんとも判断がつかない。おれは声色を使うのをやめて、ゆっくりと言葉を継いだ。
(出典:中野順一『セカンド・サイト』)
・その他自分のヴァラエティーで声色屋ともう一つ気のいゝのをやる。
(出典:古川緑波『古川ロッパ昭和日記』)
類語
・声帯模写(せいたいもしゃ)
意味:寄席(よせ)演芸の一つ。役者、歌手、知名人等の声調をまねる芸。(出典:百科事典マイペディア)
・作り声(つくりごえ)
意味:地声でない、こしらえた声。また、ある人や動物に似せた声。(出典:デジタル大辞泉)
・コピー
意味:物まね。模倣。(出典:デジタル大辞泉)
・模倣(もほう)
意味:他のものをまねること。似せること。(出典:デジタル大辞泉)