兵站
「兵站を充実させる」などのように使う「兵站」という言葉。
「兵站」は、音読みで「へいたん」と読みます。
「兵站」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「兵站」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
兵站の意味
「兵站」には次の意味があります。
・軍隊の戦闘力を維持し、作戦を支援するために、戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの整備・補給・修理や、後方連絡線の確保などにあたる機能。また、その機関。(出典:精選版 日本国語大辞典)
分かりやすく言うと「戦争を遂行するうえで必要な後方支援」を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・富池口にいる市村兵站部隊は、この夜のうちに荷物をまとめにかかった。
(出典:石川達三『武漢作戦』)
・ようやっとのことで第三二五兵站基地病院の将校クラブをさがしあてた。
(出典:リチャード・フッカー『マッシュ』)
・ならば何か代わりの物をと考えた新城は大隊兵站幕僚にそれを相談した。
(出典:佐藤大輔『皇国の守護者1 反逆の戦場』)
・そのナンダ・デビが理想的な場所かどうか、わたしは知りません。ただそこは兵站術の点から考えられる場所だというだけです。
(出典:ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』)
・近郷から徴発して来たものを前線の兵站部へ輸送してゆく途中らしい。
(出典:吉川英治『新書太閤記』)
類語
・補給線(ほきゅうせん)
意味:作戦部隊と作戦基地を結ぶ、兵員・兵器・食糧などの補給品を送るための陸・海・空の交通路。補給路。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・兵糧(ひょうろう)
意味:陣中における軍隊の食糧。(出典:デジタル大辞泉)
・ロジスティクス
意味:企業の物流活動またはその手法。本来この言葉は、軍隊における兵站(へいたん)あるいは後方支援を意味し、具体的には物資調達・輸送活動またはその手法を指した。(出典:百科事典マイペディア)
・補給(ほきゅう)
意味:消費や損失などで不足した分を補い与えること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・バックアップ
意味:人や団体の活動などに、背後から援助を与え、ささえること。また、その人や物。うしろだて。(出典:精選版 日本国語大辞典)