疑心暗鬼
「疑心暗鬼になっている」などのように使う「疑心暗鬼」という言葉。
「疑心暗鬼」は「ぎしんあんき」と読みます。
「疑心暗鬼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「疑心暗鬼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
疑心暗鬼の意味
「疑心暗鬼」には次の意味があります。
・うたがう心が強くなると、なんでもないことが恐ろしく感じられたり、うたがわしく思えたりする。(出典:デジタル大辞泉)
「疑心暗鬼」は正確には「疑心暗鬼を生ず(ぎしんあんきをしょうず)」といいますが、省略して「疑心暗鬼」ということが多いです。
「疑心暗鬼」は「疑心」つまり「疑う心」が「暗鬼」つまり「暗闇に、いるはずのない鬼を見る」という意味で、「強く疑うあまり、自分自身で妄想を生み出してしまうこと」意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何度か人影に怯えて物陰に隠れたが、いずれも私の疑心暗鬼だった。
(出典:イネス/池央耿訳『ベルリン空輸回廊』)
・そうやっておたがいを疑心暗鬼に陥らせるのが、犯人の計算なんだ。
(出典:吉村達也『邪宗門の惨劇』)
・敵が、まぎれこんでいるのではないかと、疑心暗鬼を起こしたのだ。
(出典:井上祐美子『五王戦国志5 凶星篇』)
・三人とも欲張りで、お互いに、疑心暗鬼の眼で見ている。
(出典:西村京太郎『愛と悲しみの墓標』)
・東京での新しい生活のなかで心変りを起したのではなかろうか、見棄てられてしまったのではあるまいかと、初代は疑心暗鬼にとらわれはじめた。
(出典:野原一夫『太宰治 生涯と文学』)
類語
・猜疑心(さいぎしん)
意味:相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ち。(出典:大辞林 第三版)
・不信感(ふしんかん)
意味:信用できないという思い。 (出典:大辞林 第三版)
・邪推(じゃすい)
意味:他人の心意を悪く推量すること。ひがんで、自分に悪意をもっていると疑ってかかること。(出典:デジタル大辞泉)
・杞憂(きゆう)
意味:必要のないことをあれこれ心配すること。無用の心配。とりこし苦労。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・杯中の蛇影(はいちゅうのだえい)
意味:何でもないことでも、疑えば神経を悩ますたねになることのたとえ。(出典:大辞林 第三版)