懸念
「景気悪化を懸念する」などのように使う「懸念」という言葉。
「懸念」は、音読みで「けねん」と読みます。
「懸念」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「懸念」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
懸念の意味
「懸念」には次の意味があります。
・気になって心から離れないこと。気がかり。心配。(出典:大辞林 第三版)
「懸念」の「懸」は「気にかける」、「念」は「心から離れにくい思い」を意味する漢字です。
「懸念」は、かたい言葉であり、政治家などが公の発言などでよく使う言葉です。
「懸念」をわかりやすく言えば「心配」なので、日常会話では「心配」と言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・責任者だけに、中島は今後のなりゆきが懸念されてならなかった。
(出典:松本清張『小説東京帝国大学(上)』)
・安川らの懸念していた危機は一歩一歩近づいているかのように思えた。
(出典:草野厚『証券恐慌――山一事件と日銀特融』)
・彼女に打ち勝つことができないという強い懸念に捉われていたのである。
(出典:ベルグ/行方未知訳『イマージュ』)
・ずっと懸念されていた問題が、ここにきて、ついに表面化したというわけだ。
(出典:竹宮ゆゆこ『わたしたちの田村くん 第02巻』)
・善政が沈黙しているのは、示した案に何か不満か懸念かがあるのだ。
(出典:藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(上)』)
類語
・心配(しんぱい)
意味:物事の先行きなどを気にして、心を悩ますこと。気がかり。(出典:デジタル大辞泉)
・不安(ふあん)
意味:これから起こる事態に対する恐れから、気持ちが落ち着かないこと。(出典:大辞林 第三版)
・憂慮(ゆうりょ)
意味:心配すること。不安に思うこと。 (出典:大辞林 第三版)
・危惧(きぐ)
意味:あやぶみ、おそれること。(出典:デジタル大辞泉)
・案ずる(あんずる)
意味:心配する。思い煩う。(出典:デジタル大辞泉)