白羽の矢
「白羽の矢が立つ」などのように使う「白羽の矢」という言葉。
「白羽の矢」は「しらはのや」と読みます。
「白羽の矢」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「白羽の矢」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
白羽の矢の意味
「白羽の矢」には次の意味があります。
・多くのなかから特に指定して選び出される。また、ねらいをつけられる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「白羽の矢」は、人身御供(ひとみごくう)を求める神が、望む少女の家の屋根に人知れず白羽の矢を立てるという俗説から生まれたものです。
「人身御供」とは「生贄」のこと。
転じて「白羽の矢」は、現在では高度な仕事に抜擢される場合など、良い意味で使われることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこでそのピンチ・ヒッターとして白羽の矢が立ったのがこの私であった。
(出典:横溝正史『金田一耕助のモノローグ』)
・そしてその結果、編集部は、この西岡義憲さんに白羽の矢をたてたのだ。
(出典:遠藤周作『ぐうたら交友録』)
・その結果、あろうことか、珠実に白羽の矢が立ってしまったのである。
(出典:万城目学『ホルモー六景』)
・しかし、勝なら何とかやるだろうと、白羽の矢を立てたのでしょう。
(出典:海音寺潮五郎『さむらいの本懐』)
・しかしジョンにとっては、まるで死の手が無事安泰な彼の家庭に白羽の矢を立てたかのようにさえ思われた。
(出典:O・ヘンリー/大久保康雄訳『O・ヘンリ短編集』)
類語
・当選(とうせん)
意味:選抜されること。選ばれること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・大当り(おおあたり)
意味:予想やくじなどがぴたりと当たること。芝居や相撲などの興行で大好評を得ること。(出典:デジタル大辞泉)
・割を食う(わりをくう)
意味:割りの合わない目にあう。損な結果を得る。損をする。(出典:精選版 日本国語大辞典)