久遠
「久遠の彼方に」などのように使う「久遠」という言葉。
「久遠」は、音読みで「くおん」と読みます。
「久遠」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「久遠」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
久遠の意味
「久遠」には次の二つの意味があります。
1 長く久しいこと。遠い過去または未来。
2 ある事柄がいつまでも続くこと。永遠。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
久遠の意味①「長く久しいこと。遠い過去または未来。」
「久遠」の一つ目の意味は「長く久しいこと。遠い過去または未来。」です。
仏語として用いられた場合の意味合いになります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・滝は遠くの方で、まるで久遠の聖楽のような響きを立てている。(出典:ロチ『秋の日本』)
・それが、神ならでは知らぬ久遠の謎のように彼を悩ました。(出典:小栗虫太郎『地虫』)
・この一念のうちに、万物は久遠の昔から存在してまいったのでござります。(出典:ハーン/平井呈一訳『東の国から』)
類語
・未来永劫(みらいえいごう)
意味:これから先、無限に長い年月にわたること。(出典:デジタル大辞泉)
・終古(しゅうこ)
意味:歳月のきわまりないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・万世(ばんせい)
意味:限りなく何代も続く永い世。(出典:デジタル大辞泉)
・長久(ちょうきゅう)
意味:長く続くこと。(出典:デジタル大辞泉)
久遠の意味②「ある事柄がいつまでも続くこと。永遠。」
「久遠」の二つ目の意味は「ある事柄がいつまでも続くこと。永遠。」です。
一般的に使う場合は、こちらの「いつまでも末永く続く」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼はその私の久遠の愛の焦点であった事を断言する事が出来るのである。(出典:宮本百合子『追憶』)
・何ものかを久遠の地上に描きのこして最期の枕を並べるであろうと思う。(出典:吉川英治『新書太閤記』)
・こうした内部の洞窟は、真暗闇も同然の久遠の薄暗がりに包まれているのだ。(出典:バローズ『火星シリーズ3 火星の大元帥カーター』)
・ときを超えた久遠の彼方に、わたしは未来を見ることができる。(出典:エディングス『ベルガリアード物語5 勝負の終り』)
類語
・永久(えいきゅう)
意味:いつまでも限りなく続くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・永世(えいせ)
意味:限りのないながい年月。(出典:デジタル大辞泉)
・永遠(えいえん)
意味: 過去から未来に向かって果てしなく続くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・永代(えいだい)
意味:ながい年月。(出典:デジタル大辞泉)