形而下
「形而下的話題」などのように使う「形而下」という言葉。
「形而下」は、音読みで「けいじか」と読みます。
「形而下」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「形而下」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
形而下の意味
「形而下」には次の意味があります。
・形をそなえていて感覚によって知ることのできるもの。自然現象や社会現象など時間空間のうちに形をとって現われるもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
哲学においてしばしば使用される言葉ですが、「形而上」と反対に物理的な形をもつものを表しています。
科学の基盤となる考えでもあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・月給等の形而下のことをのみ欲するを理想と呼ぶのは大だいなる誤りであろう。
(出典:新渡戸稲造『自警録』)
・そういう話は形而下的に面白いので、女たちもニヤニヤして聞いた。
(出典:森瑤子『ある日、ある午後』)
・生理学はこの現象の形而下的部分の記述を行うであろう。
(出典:スタンダール/白井浩司訳『恋愛論』)
・初めは妾の肉体を中心とする形而下的話題に限って情報交換させた。
(出典:沼正三『家畜人ヤプー』)
・これを首尾よく教え込むためには、どうしてもある種の形而下的表現、ある種の具体的説明を用いなければならない。
(出典:サド/澁澤龍彦訳『恋のかけひき』)
類語
・唯物論(ゆいぶつろん)
意味:世界の根本的原理ないし実在を物質とみなす立場(出典:百科事典マイペディア)
・物質(ぶっしつ)
意味:もの。品物。生命や精神に対立する存在としての物。(出典:デジタル大辞泉)
・マテリアル
意味:物質。材料。原料。(出典:デジタル大辞泉)
・フィジカル
意味:物質に関するさま。物理的。物理学的。肉体的。(出典:デジタル大辞泉)
・具体(ぐたい)
意味:物事が、直接に知覚され認識されうる形や内容を備えていること。(出典:デジタル大辞泉)