偽善
「とんだ偽善者である」などのように使う「偽善」という言葉。
「偽善」は、音読みで「ぎぜん」と読みます。
「偽善」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「偽善」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
偽善の意味
「偽善」には次の意味があります。
・うわべだけを飾って正しいように、あるいは善人のように見せかけること。また、その行為。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「偽善」をわかりやすく言うと「本心からではなく、自分をよく見せるために善人ぶること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・心ひそかに敵と思っている男に、友好的な挨拶をするのは、許しがたい偽善ではないのか。
(出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯』)
・教会にいちど寄って行くのが自分の偽善には有利だろうと彼は判断したのである。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(上)』)
・同じように子を持つ親として、心中お察ししますというような偽善的な苦悩の表情。
(出典:秋元康『着信アリ』)
・けれど、何を言っても、うわべだけで偽善的に聞こえるような気がした。
(出典:ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 7 ハリー・ポッターと死の秘宝』)
・それにもかかわらず私は明かに偽善者であると言明せねばならぬ。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
類語
・絵空事(えそらごと)
意味:大げさで現実にはあり得ないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・八方美人(はっぽうびじん)
意味:だれからも悪く思われないように、如才なくふるまうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・知能犯(ちのうはん)
意味:暴力,威力,脅迫などによらず,知能によってなされる犯罪。(出典:百科事典マイペディア)
・虚妄(きょもう)
意味:事実でないこと。うそいつわり。(出典:デジタル大辞泉)
・二枚舌(にまいじた)
意味:矛盾したことをいうこと。一つのことを二様にいうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)