鎮座
「この神社には天照大神が鎮座する」などのように使う「鎮座」という言葉。
「鎮座」は、音読みで「ちんざ」と読みます。
「鎮座」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鎮座」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
鎮座の意味
「鎮座」には次の意味があります。
・人や物がどっしりと場所を占めていることを、多少揶揄(やゆ)の気持ちを込めていう語。(出典:デジタル大辞泉)
「鎮座」は「似つかわしくない場所に、人・動物・物が、我がもの顔で存在する状態」を指し、誇張して表現する際に使用されます。
また「鎮座」は「神が神社や土地に留まっている状態」も指しますが、この際には揶揄の意味合いを含みません。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・猫は座布団の上に鎮座していて、物ほしそうな目で鼻面を動かしている。
(出典:樋口有介『木野塚探偵事務所だ』)
・それらに守られるように、美しくも猛々しいデザインの宮殿が鎮座する。
(出典:川原礫『アクセル・ワールド 第6巻 -浄火の神子』)
・部屋の中央に二台の玉突き台が鎮座ましまし、わたしは白い壁を背にして腰をおろした。
(出典:鮎川哲也『朱の絶筆』)
・道真公はあの巫女に神憑りして、あの地に鎮座したいと仰せられたのです。
(出典:海音寺潮五郎『平将門 上巻』)
・そうする中にいよいよ鎮座祭の日がまいりました。
(出典:加藤実秋『インディゴの夜 全4話』)
類語
・祀る (まつる)
意味:神をまつること。祭祀。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・どっしり
意味:重いさま、重々しく落ち着いているさま、威厳をもって落ち着いているさま、重厚なさまなどを表わす語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・黙座 (もくざ)
意味:だまったまますわっていること。(出典:デジタル大辞泉)
・安住 (あんじゅう)
意味:何の心配もなく落ち着いて住むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・安置 (あんち)
意味:丁重に据え置くこと。(出典:デジタル大辞泉)