旋回
「飛行機が旋回する」などのように使う「旋回」という言葉。
「旋回」は、音読みで「せんかい」と読みます。
「旋回」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「旋回」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
旋回の意味
「旋回」には次の二つの意味があります。
1 円を描くように回ること。機械などの可動部が回転運動をすること。
2 航空機や艦船が回りこむようにして進路を変えること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
旋回の意味①「円を描くように回ること。」
「旋回」の一つ目の意味は「円を描くように回ること。」です。
ある点を中心にぐるぐると回ることを意味します。
機械だけでなく、生き物などに対しても使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・黒い鳥は天井を旋回し、くわえていた巻き紙のようなものを落とした。
(出典:小沢淳『ムーン・ファイアー・ストーン5 青い都の婚礼(完)』)
・いや、あるいは彼のほうが、音楽に合わせて旋回しているのかもしれない。
(出典:フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』)
・私はこの長い連続的な旋回運動のために、たまらない眼まいを感じた。
(出典:ヴェルヌ/村上啓夫訳『海底二万リーグ(下)』)
・自動車が旋回して玄関につくと、白い服のボーイが飛び出してきた。
(出典:松本清張『危険な斜面』)
類語
・スピン
意味:回転すること。旋回すること。(出典:デジタル大辞泉)
・スパイラル
意味:らせん。らせん状。(出典:デジタル大辞泉)
・循環(じゅんかん)
意味:ひとめぐりして、もとへ戻ることを繰り返すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・巡り(めぐり)
意味:順にまわること。まわって再びもとにもどること。(出典:デジタル大辞泉)
旋回の意味②「航空機や艦船が回りこむようにして進路を変えること。」
「旋回」の二つ目の意味は「航空機や艦船が回りこむようにして進路を変えること。」です。
航空機や船舶などで、特に大きいサイズのものとなると、急に進路を変えることはできません。
そのため、それらの方向転換の様子は、曲線を描くような緩やかなものとなります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・戦艦を自分の視界内に入れるためには、少し旋回しなければならなかった。
(出典:吉田満,原勝洋『ドキュメント戦艦大和』)
・飛行艇は、また旋回をはじめ、東京湾へ向かって高度をおろしはじめた。
(出典:小松左京『日本沈没 a上巻』)
・やがてそのB29は大きく旋回をはじめ、千葉方向へと抜けにかかった。
(出典:城山三郎『忘れ得ぬ翼』)
・旋回を終えた旅客機が姿勢を水平に戻したために彼の傍の窓からは河の流れが見えなくなった。
(出典:中村正『元首の謀叛』)
類語
・反転(はんてん)
意味:位置・方向・順序などが反対になること。また、反対にすること。(出典:デジタル大辞泉)
・転回(てんかい)
意味:向きが変わること。また、向きを変えること。(出典:デジタル大辞泉)
・方向転換(ほうこうてんかん)
意味:進む向きをかえること。(出典:)
・舵を取る(かじをとる)
意味:舵を操作して船を定めた方向に進める。(出典:デジタル大辞泉)