当たり前
「そんなの当たり前だ」などのように使う「当たり前」という言葉。
「当たり前」は、訓読みで「あたりまえ」と読みます。
「当たり前」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「当たり前」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
当たり前の意味
「当たり前」には次の二つの意味があります。
1 そうあるべきこと。そうすべきこと。また、そのさま。
2 普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
当たり前の意味①「そうあるべきこと。そうすべきこと。また、そのさま。」
「当たり前」の一つ目の意味は「そうあるべきこと。そうすべきこと。また、そのさま。」です。
この意味では、言うまでもなく当然そうであるというときに使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これは国境地域に暮らす人間にとっては当たり前のことですがね。
(出典:アレクサンドル・デュマ/乾野実歩訳『リシャール大尉』)
・その目的がなくなったんだから、もとの場所に戻るのは当たり前でしょう?
(出典:奈須きのこ『月姫 温かな午睡(秋葉・トゥルーエンド)』)
・それが戦闘をするというのでは、クルーが動揺するのは当たり前だった。
(出典:富野由悠季『Zガンダム 星を継ぐ者』)
・入交にすれば、指示された通りのエンジンは、設計して当たり前だった。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(上)』)
類語
・当然(とうぜん)
意味:そうなるのがあたりまえであること(出典:デジタル大辞泉)
・無論(むろん)
意味:論じる必要のないほどはっきりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・論を俟たない(ろんをまたない)
意味:自明であって、論じるまでもない。(出典:デジタル大辞泉)
・言わずもがな(いわずもがな)
意味:言うまでもなく。(出典:デジタル大辞泉)
当たり前の意味②「普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。」
「当たり前」の二つ目の意味は「普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。」です。
「当たり前すぎて気づかなかった」のように、普通であることを意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・普通の兄妹ならばこれが当たり前なのかも知れないが二人は事情が違うのだ。
(出典:山田悠介『リアル鬼ごっこ』)
・今まで当たり前のように手に入ったものも、ほとんど存在しないだろう。
(出典:ロバート・アスプリン,P・J・ヘック『銀河おさわがせアンドロイド』)
・どこにでもはいりこめるし、だれも当たり前のこととして気にもしない。
(出典:フレドリック・ブラウン『73光年の妖怪』)
・その日から諸井が遅番の日にここに泊まってゆくのが当たり前になった。
(出典:唯川恵『不運な女神』)
類語
・人並(ひとなみ)
意味:世間一般の人と同じ程度であること。(出典:デジタル大辞泉)
・世間並(せけんなみ)
意味:世間一般と程度が同じであること。(出典:デジタル大辞泉)
・凡庸(ぼんよう)
意味:平凡でとりえのないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・在り来たり(ありきたり)
意味:これまであったことや、行われていたこと。(出典:デジタル大辞泉)