他山の石
「他山の石にする」などのように使う「他山の石」という言葉。
「他山の石」は、「他山」は音読み、「石」は訓読みで「たざんのいし」と読みます。
「他山の石」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「他山の石」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
他山の石の意味
「他山の石」には次の意味があります。
・自分の石をみがくのに役にたつほかの山の石の意。転じて、自分の修養の助けとなる他人の言行。自分にとって戒めとなる他人の誤った言行。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「他の山の粗悪な石でも、自分の玉を磨く石として役立つ」という意味が転じて、「自分の戒めとなるような他人の誤り」という意味で使います。
さらに転じて、本来、誤用とされている「自分の手本となるような他人の良い行い」という意味で使うことも多くなっています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この事件を他山の石とすることが、銀行業界全体に求められている。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(下)』)
・そういう人にも他山の石としてはいくらか役立つであろう。
(出典:和辻哲郎『孔子』)
・ユダヤ人の歴史を、他山の石として、この点でも参照してほしい。
(出典:ベンダサン『日本人とユダヤ人』)
・他山の石としてSF作家の自戒すべき点。
(出典:星新一『きまぐれ博物誌』)
・人さまには、私のしてきた試行錯誤は他山の石になるとおもう。
(出典:五味康祐『五味康祐オーディオ遍歴』)
類語
・人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)
意味:他人の行為の善悪を見て、自分の行為を反省し改めよ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・転んでもただは起きない(ころんでもただではおきない)
意味: たとえ失敗した場合でもそこから何かを得ようとする。 (出典:デジタル大辞泉)
・教訓(きょうくん)
意味:教えさとすこと。また、その内容・言葉。(出典:デジタル大辞泉)
・反面教師(はんめんきょうし)
意味:悪い見本として反省や戒めの材料となる物事。(出典:デジタル大辞泉)
・自照(じしょう)
意味:自分自身をかえりみて深く観察すること。(出典:デジタル大辞泉)