丁丁発止
「丁丁発止」と書いて「ちょうちょうはっし」。
「丁丁」はかん高い音続いて響くさま、「発止」は堅いものどうしがぶつかるさま、またその音を表します。「刀をはっしと受けとめる」などといいます。
剣道などの打ち合いのシーンが思い浮かびますが、そこから派生した用法で使われる場合も多いようです。
この記事では「丁丁発止」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
丁丁発止の意味
丁丁発止には二つの意味があります。
1 刀などで激しく切り合う音やそのさまを表す語。
2 激論を戦わせるさま。 (出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
丁丁発止の意味① 「刀などで激しく切り合う音やそのさまを表す語」
丁丁発止の一つ目の意味は「刀などで激しく切り合う音やそのさまを表す語」です。
上項でも述べたように、かん高く打ち合う、あるいは斬り合う、またそれを受けとめる様子を表しています。
「打打発止」と書くこともあります。
使い方・例文
・だから刃を打ち合わない剣術を心得ていることになる。 刀を把とって斬り合うときは、丁丁発止と打ち合うものではない。 受けたり撥ねたりしては、刃がこぼれ曲がり折れる。
(出典:峰隆一郎『人斬り弥介』)
丁丁発止の意味② 「激論を戦わせるさま」
丁丁発止の二つ目の意味は「激論を戦わせるさま」です。
あたかも刀で打ち合うかのように、議論を戦わせて渡り合う様子を表します。
使い方・用例
・口を刀のかわりにして、丁丁発止とわたりあう事もあるのだ、などとわかったのは、何年も経ってからのことだった。
(出典:黒柳徹子『トットチャンネル』)
・旅行中注文した品物がまだ届かないとかホテルに忘れ物をしたという旅行関係や、ビジネス商談も多く、久しく商談の現場から離れている私には、一方的に話す講演会の通訳より、丁丁発止のコミュニケーションの手助けをする実感が強く、新鮮な気持ちになる。
(出典:田丸公美子『パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記』)
・そして丁丁発止で飛び散りそうだった対論をうまくまとめてくれた四條詠子さんの両氏に、著者二人を代表しこの場をかりてお礼を申し上げたい。
(出典:小川洋子・藤原正彦『世にも美しい数学入門』)