馴致
「馴致される」などのように使う「馴致」という言葉。
「馴致」は、音読みで「じゅんち」と読みます。
「馴致」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「馴致」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
馴致の意味
「馴致」には次の意味があります。
・なれさせること。なじませること。また、徐々にある状態になっていくこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、ある状態が普通だと感じるようにすることです。多くは動物が人に対して警戒心を持たなくなるときに使われています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・国民は官製の教育宣伝によってその考え方へ馴致じゆんちされていたのである。
(出典:五味川純平『御前会議』)
・どれ程長い時間の間に馴致じゅんちされたことであるか分らない。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
・猫のうちには、馴致されきれない何物かが残っている。
(出典:豊島与志雄『猫性』)
・もともと感情の鈍いほうなのに主人の命令に馴致されて定海のいうことにもさからわず、おとなしくしていた。
(出典:松本清張『証明』)
・僕はそれに気がついて、人間の馴致性というのか、変通性というのか、自身のたより無さに呆れてしまった。
(出典:太宰治『パンドラの匣』)
類語
・順応(じゅんのう)
意味:環境や境遇に従ってこれに適応すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・適応(てきおう)
意味:その場の状態・条件などによくあてはまること。(出典:デジタル大辞泉)
・適合(てきごう)
意味:よくあてはまること。かなうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・慣らす(ならす)
意味: ある状態・環境になれさせる。(出典:デジタル大辞泉)
・馴染む(なじむ)
意味:人になれて親しくなる。また、物事や場所になれて親しみをもつ。(出典:デジタル大辞泉)