難儀
「難儀な話である」などのように使う「難儀」という言葉。
「難儀」は、音読みで「なんぎ」と読みます。
「難儀」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「難儀」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
難儀の意味
「難儀」には次の二つの意味があります。
1 苦しみ悩むこと。苦労すること。また、そのさま。
2 面倒なこと。迷惑なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
難儀の意味①「苦しみ悩むこと。苦労すること。また、そのさま。」
「難儀」の一つ目の意味は「苦しみ悩むこと。苦労すること。また、そのさま。」です。
「苦しむ」という意味で「難儀をする」と表現することもあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いやもう、すぐにでも行くと言いそうになるのを堪えるのに難儀したわ。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第01巻 「放浪の戦士」』)
・老いた僧の身の私はどんな難儀になりましても後悔などはいたしません。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)
・書くという作業がこれほど難儀なものだとは想像もしていなかった。
(出典:安部公房『密会』)
・しかしその後、同時に薬効も失ったわけで村人たちはおおいに難儀した。
(出典:和田はつ子『薬師』)
類語
・苦労(くろう)
意味:精神的、肉体的に力を尽くし、苦しい思いをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・辛苦(しんく)
意味:つらく苦しい思いをすること。また、その苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)
・苦杯(くはい)
意味:にがい経験。つらい経験。(出典:デジタル大辞泉)
・試練(しれん)
意味:信仰・決心のかたさや実力などを厳しくためすこと。また、その時に受ける苦難。(出典:デジタル大辞泉)
難儀の意味②「面倒なこと。迷惑なこと。また、そのさま。」
「難儀」の二つ目の意味は「面倒なこと。迷惑なこと。また、そのさま。」です。
手がかかることを表します。
「面倒」よりも硬い言い方です。
この意味ではマイナスイメージを持ったものに対して使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・難しいとは思っていたが、想像していたよりもさらに難儀な話かもしれんな。
(出典:伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第02巻』)
・その中から、たった一人の生徒を捜すのは予想外に難儀な仕事だった
(出典:三雲岳斗『少女ノイズ (光文社単行本)』)
・それとも私が選んだ貴方は現実と空想の区別がつかない難儀な人でしたか?
(出典:渡瀬草一郎『まじょるか。』)
・子供だった私には、雪の恐ろしさや難儀なことがまるでわからなかった。
(出典:ニコル『C・W・ニコルの自然記』)
類語
・面倒(めんどう)
意味:手間がかかったり、解決が容易でなかったりして、わずらわしいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・問題(もんだい)
意味:困った事柄。厄介な事件。(出典:デジタル大辞泉)
・課題(かだい)
意味:解決しなければならない問題。果たすべき仕事。(出典:デジタル大辞泉)
・迷惑(めいわく)
意味:ある行為がもとで、他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)