隠密
「隠密行動を取る」などのように使う「隠密」という言葉。
「隠密」は、音読みで「おんみつ」と読みます。
「隠密」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「隠密」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
隠密の意味
「隠密」には次の二つの意味があります。
1 人に悟られないように隠して事を行うこと。また、そのさま。いんみつ。
2 戦国時代から近世にかけて、情報活動に従った下級武士。幕府や各藩に属し、スパイ活動を行った。間者。忍びの者。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
隠密の意味①「人に悟られないように隠して事を行うこと。また、そのさま。いんみつ。」
「隠密」の一つ目の意味は「人に悟られないように隠して事を行うこと。また、そのさま。いんみつ。」です。
「隠密行動を取る」で、「人に悟られないように行動する」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分からヒントだけを聞いて隠密に行動するつもりなのはわかっている。
(出典:池上永一『テンペスト1 若夏の巻』)
・そして一時間をかけて、隠密旅行の計画が二人の間で綿密に練られた。
(出典:林真理子『初夜』)
・いつ、どこへ隠密に移動するかはコンピューターが教えてくれることになる。
(出典:D・マクダニエル/小倉多加志訳『0011/ナポレオン・ソロ・シリーズ 第14巻 犯罪王レインボー』)
・これがかれの作品が隠密裏に読者に迫る入信の印のようなものであった。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
類語
・秘密裏(ひみつり)
意味:物事が秘密の状態で行われること。(出典:デジタル大辞泉)
・内密(ないみつ)
意味:表沙汰にしないこと。また、そのさま。内緒。(出典:デジタル大辞泉)
・内内(ないない)
意味:表立てないでひそかに、また、非公式に事を行うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・暗部(あんぶ)
意味:暗い部分。隠された部分。(出典:デジタル大辞泉)
隠密の意味②「戦国時代から近世にかけて、情報活動に従った下級武士。幕府や各藩に属し、スパイ活動を行った。間者。忍びの者。」
「隠密」の二つ目の意味は「戦国時代から近世にかけて、情報活動に従った下級武士。幕府や各藩に属し、スパイ活動を行った。間者。忍びの者。」です。
「隠密の話を聞いた」で、「忍びの者やスパイ活動を行っている者の話を聞いた」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・少年であっても隠密としてそうとう重要な人物ではあるまいか。
(出典:光瀬龍『夕ばえ作戦』)
・何人も隠密をさしむけているのだが、その証拠がつかめぬからであった。
(出典:池波正太郎『剣客商売 6 新妻』)
・公儀隠密に女性が使われるとは、いままで物語にもきいたことがないからだ。
(出典:山田風太郎『忍びの卍(まんじ)』)
・江戸の隠密仲間に風車手裏剣に絶妙の腕をもつものがいるとは聞いていた。
(出典:南條範夫『駿河城御前試合』)
類語
・忍者(にんじゃ)
意味:ひそかに忍び入り、敵情などをさぐる者。忍びの者。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・間者(かんじゃ)
意味:敵方の様子を探る者。間諜(かんちょう)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・スパイ
意味:相手や敵のようすをひそかに探ること。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・探偵(たんてい)
意味:他人の行動・秘密などをひそかにさぐること。また、それを職業とする人。(出典:デジタル大辞泉)