隘路
「隘路を通る」などのように使う「隘路」という言葉。
「隘路」は、音読みで「あいろ」と読みます。
「隘路」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「隘路」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
隘路の意味
「隘路」には次の二つの意味があります。
1 狭くて通行困難な道。
2 物事を進めて行く上に妨げとなる点。支障。難点。ネック。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
隘路の意味①「狭くて通行困難な道」
隘路の一つ目の意味は「狭くて通行困難な道」です。
「隘」の字は「せまい」という意味を持ちます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・道幅はやや狭せまくなっており、二人が並んで通るのがやっとという感じの自然の隘路だ。
(出典:清野静『時載りリンネ!1 はじまりの本』)
・その谷間は深く、岩と木立に覆われた二つの大きな斜面の間が狭い隘路になっている。
(出典:モーパッサン/榊原晃三訳『モーパッサン怪奇傑作集』)
・唯一の出入口は、かれらが乗り入れて来たあの狭い隘路があるばかりだった。
(出典:R・E・ハワード『征服王コナン』)
・恐ろしい突風も道の曲がり角を吹きすぎて、隘路の奥のほうに消え去った。
(出典:ヴェルヌ/江口清訳『皇帝の密使(上)』)
類語
・崖道(がけみち)
意味:がけのふちを通る道。崖路がけじ。(出典:デジタル大辞泉)
・険路(けんろ)
意味:けわしい道。(出典:デジタル大辞泉)
・岨路(そわじ)
意味: けわしい道。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・岨道(そわみち)
意味: けわしい道。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・嶮路(けんろ)
意味:けわしい道。また、そのさま。険道。(出典:デジタル大辞泉)
隘路の意味②「物事を進める上で妨げとなるものや条件」
「隘路」の二つ目の意味は「物事を進める上で妨げとなるものや条件。支障。難点。ネック」です。
①の意味を比喩的に用いた使い方です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・被疑者とのやりとりが隘路に入ったときは、攻め口を変える。
(出典:朔立木『死亡推定時刻』)
・ヨーロッパ社会は、次々に、発展を邪魔する壁や、隘路を越えてきていた。
(出典:橋本克彦『日本鉄道物語』)
・このように考えて来ると、私は二者択一の隘路に追い込まれる。
(出典:小田亮『レヴィ=ストロース入門』)
・必要物資の入手難が隘路となって、研究は遅々として進まない。(出典:中川靖造『海軍技術研究所』)
類語
・障害(しょうがい)
意味:さまたげること。また、あることをするのに、さまたげとなるものや状況。(出典:デジタル大辞泉)
・ネック
意味:物事の進行を阻むもの。(出典:デジタル大辞泉)
・邪魔(じゃま)
意味:妨げること。また、妨げとなるものや、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・妨害(ぼうがい)
意味:妨げること。また、妨げとなるものや、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・阻害(そがい)
意味:さまたげること。じゃますること。(出典:デジタル大辞泉)