陶冶
「品性を陶冶する」などのように使う「陶冶」という言葉。
「陶冶」は、音読みで「とうや」と読みます。
「陶冶」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「陶冶」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
陶冶の意味
「陶冶」には次の意味があります。
・もって生まれた性質や才能を、円満に育てあげること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「陶冶」をわかりやすく言うと「持って生まれた才能などを理想的な姿にまで練り上げること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・欠点と長所を知ることによって、自らの人格が陶冶されたように感じられてならなかった。
(出典:咲村観『上杉謙信人の巻』)
・寛容によって、寛容する人自身がどれほど品性を陶冶されるかを学びました。
(出典:有島武郎『或る女』)
・恋愛によって人格が陶冶されるという観念についても最初のうちは中国人読者はほとんど興味を示していない。
(出典:張競『恋の中国文明史』)
・徳川氏は、天下を取ると同時に、先、儒教によつて一般を陶冶しようとした。
(出典:折口信夫『ごろつきの話』)
・玉と為すにはまだまだ不断の琢磨と陶冶とを念とせなければならぬ。
(出典:北原白秋『愛の詩集』)
類語
・琢磨(たくま)
意味:玉などをとぎみがくこと。転じて、学問・技芸などを練り磨いて向上につとめること。(出典:デジタル大辞泉)
・教養(きょうよう)
意味:教え育てること。教育。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・練磨(れんま)
意味:ねりみがくこと。学問や技芸などを、修業を重ねて身につけること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・修養(しゅうよう)
意味:学問をおさめ、徳性をやしない、より高い人格形成に努めること。(出典:精選版 日本国語大辞典)