錬金術
「中世ヨーロッパの錬金術」などのように使う「錬金術」という言葉。
「錬金術」は、音読みで「れんきんじゅつ」と読みます。
「錬金術」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「錬金術」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
錬金術の意味
「錬金術」には次の三つの意味があります。
1 紀元1世紀ごろ以前にエジプトに始まり、アラビアを経てヨーロッパに広がった、卑金属を貴金属の金に変えようとする化学技術。さらに不老不死の仙薬を得ることができるとされ、呪術的性格をもった。科学としては誤りであったが、多くの化学的知識が蓄積され、近代化学成立の基礎資料となった。アルケミー。
2 転じて、ありふれたもの、値打ちのないものを貴重なものに作り変えるという術。
3 （「金」を「かね」と意識して）お金・財産を生み出す特別な方法。また、非常に貴重なものを作り出す方法。（出典：デジタル大辞泉）
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
錬金術の意味①「紀元1世紀ごろ以前にエジプトに始まり、アラビアを経てヨーロッパに広がった、卑金属を貴金属の金に変えようとする化学技術。さらに不老不死の仙薬を得ることができるとされ、呪術じゅじゅつ的性格をもった。科学としては誤りであったが、多くの化学的知識が蓄積され、近代化学成立の基礎資料となった。アルケミー。」
「錬金術」の一つ目の意味は「紀元1世紀ごろ以前にエジプトに始まり、アラビアを経てヨーロッパに広がった、卑金属を貴金属の金に変えようとする化学技術。さらに不老不死の仙薬を得ることができるとされ、呪術的性格をもった。科学としては誤りであったが、多くの化学的知識が蓄積され、近代化学成立の基礎資料となった。アルケミー。」です。
冒頭の「中世ヨーロッパの錬金術」などのように使う場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・錬金術の時代ならばいざ知らず現代では冗談にもなりにくいテーマではないか。
（出典：阿刀田高『ナポレオン狂』）
・むかし、近代科学が発達する前に、錬金術というものが研究されていた。
（出典：茂木健一郎『意識とはなにか ―〈私〉を生成する脳』）
・錬金術の技法を完全に身につけた男であるのも知らぬわけでない。
（出典：リン・カーター『レムリアン・サーガ／ゾンガーシリーズ(全6巻) 1 ゾンガーと魔道師の王』）
錬金術の意味②「転じて、ありふれたもの、値打ちのないものを貴重なものに作り変えるという術。」
「錬金術」の二つ目の意味は「転じて、ありふれたもの、値打ちのないものを貴重なものに作り変えるという術。」です。
ありふれたものを、金のように価値あるものに作りかえること、という意味で比喩的につかいます。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・別荘地を政界再編成の錬金術に使った人がいる。
（出典：宮原安春『軽井沢物語』）
・詩の世界の月並みがぼくの言葉の錬金術にはかなりあった。
（出典：ランボー／篠沢秀夫訳『地獄での一季節』）
・わけのわからんものばっかり購入して、それを見事な錬金術でゴミにしてしまう。
（出典：西尾維新『物語シリーズ 4 偽物語(上)』）
錬金術の意味③「「金」を「かね」と意識して）お金・財産を生み出す特別な方法。また、非常に貴重なものを作り出す方法。」
「錬金術」の三つ目の意味は（「金」を「かね」と意識して）お金・財産を生み出す特別な方法。また、非常に貴重なものを作り出す方法。」です。
「簡単に儲かる錬金術はない」などのように使う場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・みてみねえ、錬金術で金をふやそうなんて、なんの利益があるものか。
（出典：チョーサー／西脇順三郎訳『カンタベリ物語(下)』）
・人が競馬場へ行くのも錬金術を探し求めているためではなかろうか。
（出典：山口瞳『草競馬流浪記』）
