里子
「里子として育てられた」などのように使う「里子」という言葉。
「里子」は、訓読みで「さとご」と読みます。
「里子」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「里子」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
里子の意味
「里子」には次の意味があります。
・他人に預けて育ててもらう子。(出典:デジタル大辞泉)
現代では、養育費や実親の事情により行われるものですが、ひと昔前には一時的に里子として武家の子を農家へと預ける風習も存在していました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・生まれるとすぐ遠縁のうちへ里子に出されたので、父親の記憶は全くない。
(出典:向田邦子『隣りの女』)
・里子になって、次から次へと家が変わっていくとき暴行されそうになった。
(出典:淀川長治『私の映画教室』)
・里子から来た手紙を拡げて、何度も文字を一つ一つ丁寧に読み返へした。
(出典:林芙美子『瀑布』)
・「これから東京へ行こうと思っています」 と里子は小さな声でいった。
(出典:西村京太郎『座席急行「津軽」殺人事件』)
・おばさんは回復期間には里子二人と預りっ子を連れては台所にきていた。
(出典:フローベール/白井浩司訳『ボヴァリー夫人』)
類語
・捨て子(すてご)
意味:扶養の義務をもつ親が嬰児(えいじ)を捨てる行為、また捨てられた子をいう場合と、呪術(じゅじゅつ)的に子を捨てるまねをする習俗との2種類がある。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・養子(ようし)
意味:養子縁組によって子となった者。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・托卵(たくらん)
意味:鳥が他種の鳥の巣に卵を産み、抱卵・育雛(いくすう)をさせる習性。(出典:デジタル大辞泉)
・継子(ままこ/けいし)
意味: 親子の関係にあって、両親のどちらかと血のつながりを持たない子。(出典:精選版 日本国語大辞典)