運命
「運命の赤い糸」などのように使う「運命」という言葉。
「運命」は、音読みで「うんめい」と読みます。
「運命」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「運命」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
運命の意味
「運命」には次の二つの意味があります。
1 超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運。
2 今後の成り行き。将来。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
運命の意味①「超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。」
「運命」の一つ目の意味は「超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運。」です。
自分の意思とは関係なく起きる出来事のことをいいます。
いい意味でも悪い意味でも使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・恋と運命と死と、皆どこかに通じた永遠な気持ちがあるような気がする。
(出典:倉田百三『出家とその弟子』)
・これがそもそも彼の奇怪にして不幸な運命の元をなすに至ったのである。
(出典:坂口安吾『明治開化 安吾捕物』)
・他人の運命を自分の問題とするときにのみ真の愛はあると思います。
(出典:倉田百三『青春の息の痕』)
・この二つが最後の決勝戦をやる運命にあるのではないでしょうか。
(出典:石原莞爾『最終戦争論』)
類語
・宿命(しゅくめい)
意味:生まれる前の世から定まっている人間の運命。(出典:デジタル大辞泉)
・命運(めいうん)
意味:身の定め。(出典:デジタル大辞泉)
・境遇(きょうぐう)
意味:その人の置かれた環境や身辺の諸事情。(出典:大辞林 第三版)
・天意(てんい)
意味:造物主の意志。また、自然の道理。(出典:デジタル大辞泉)
運命の意味②「今後の成り行き。将来。」
「運命」の二つ目の意味は「今後の成り行き。将来。」です。
「国の運命」「彼の運命はいかに」などのように使う場合は、この意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・眼前の大破壊も、私にとっては国の運命ではなくて、私の現実であった。
(出典:坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』)
・だから、一国の運命を背負っている外交官などには特に必用なのである。
(出典:国枝史郎『今昔茶話』)
・あの長い不安な旅は、僕たちにとつてそれこそ運命を決すべき旅でした。
(出典:岸田国士『速水女塾』)
・此は他によつて自己を新にして、そして自ら新しい運命を致したのである。
(出典:幸田露伴『努力論』)
類語
・行く先(いくさき)
意味:将来。(出典:デジタル大辞泉)
・趨勢(すうせい)
意味:物事がこれから先どうなってゆくかという様子。(出典:大辞林 第三版)
・ゆきがかり
意味:いったん始められた物事の動いてゆく勢い。(出典:大辞林 第三版)
・経緯(けいい)
意味:物事のこみいった事情。(出典:デジタル大辞泉)