逼迫
「逼迫した空気」などのように使う「逼迫」という言葉。
「逼迫」は、音読みで「ひっぱく」と読みます。
「逼迫」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「逼迫」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
逼迫の意味
「逼迫」には次の二つの意味があります。
1 行き詰まって余裕のなくなること。事態が差し迫ること。
2 苦痛や危難が身に迫ること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
逼迫の意味①「行き詰まって余裕のなくなること。事態が差し迫ること。」
「逼迫」の一つ目の意味は「行き詰まって余裕のなくなること。事態が差し迫ること。」です。
追い詰められてギリギリの状態になることを指します。
「逼」も「迫」のどちらも、差し迫った状況を表す漢字です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・逼迫した様子の自分のことを考えて、気を利かせてくれたに違いない。
(出典:新堂冬樹『忘れ雪』)
・武田家の逼迫した財政状態を明らさまにするのをはばかっている様子であった。
(出典:新田次郎『武田勝頼(二)』)
・逼迫する空気に押されてそうしてから、こんな船で脱出するつもりなのか?
(出典:福井晴敏『機動戦士ガンダムUC 04 パラオ攻略戦』)
・子供二人を伴って日本へ渡った音伝の生活も逼迫していた
(出典:宮本百合子『現実の道』)
類語
・急迫(きゅうはく)
意味:物事が差し迫った状態になること。せっぱつまること。(出典:デジタル大辞泉)
・緊迫(きんぱく)
意味:状況などが、非常に差し迫っていること。緊張して、今にも事が起こりそうなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・切迫(せっぱく)
意味:緊張した状態になること。逃げ場のない追いつめられた状態になること。(出典:デジタル大辞泉)
・切羽詰まる(せっぱつまる)
意味:ある事態などが間近に迫ってどうにもならなくなる。身動きがとれなくなる。(出典:デジタル大辞泉)
逼迫の意味②「苦痛や危難が身に迫ること。」
「逼迫」の二つ目の意味は「苦痛や危難が身に迫ること。」です。
危ない状況に陥ることを意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・敵の追手が近くにいる逼迫した状況だ。
・是をこそ珍事哉と申に、同二月五日の暮程より、直義朝臣俄に邪気に被侵、身心悩乱して、五体逼迫しければ、諸寺の貴僧・高僧に仰て御祈不斜。
(出典:太平記)
類語
・難儀(なんぎ)
意味:苦しみ悩むこと。苦労すること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・辛苦(しんく)
意味:つらく苦しい思いをすること。また、その苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)