逆風
「逆風に煽られる」などのように使う「逆風」という言葉。
「逆風」は、音読みで「ぎゃくふう」と読みます。
「逆風」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「逆風」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
逆風の意味
「逆風」には次の二つの意味があります。
1進行方向から吹いてくる風。向かい風。
2不利な状況。進行を妨げる出来事。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
逆風の意味①「進行方向から吹いてくる風。向かい風。」
「逆風」の一つ目の意味は「進行方向から吹いてくる風。向かい風。」です。
言い換えると春一番や木枯らし、台風時の暴風など、特に強く自分に受ける風のせいで進みにくい状況をつくる風のことです。また海や山で感じる不規則な方向で吹く風のことでもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・恰もこの崖のところへ、下からと上からと二つの逆風が合流してるような工合でした。
(出典:豊島与志雄『古木』)
・自転車に乗って逆風に煽られるのは、春秋の終わり頃が一番気持ちいい。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第2巻』)
・少しスピードを上げようとしただけで、逆風が力を増し、押し戻されてしまう。
(出典:貴志祐介『青の炎』)
・矢は、逆風にもかかわらず、あざやかな弧を描いて大牙の戦車をめざした。
(出典:井上祐美子『五王戦国志4 黄塵篇』)
類語
・よこしま風
意味: 横なぐりに吹く風。暴風。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・疾風(はやかぜ)
意味: 急にはげしく吹きおこる風。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・颶風(ぐふう)
意味:四方から吹いてくる風をいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・山颪(やまおろし)
意味: 山から吹きおろす風。(出典:精選版 日本国語大辞典)
逆風の意味②「不利な状況。進行を妨げる出来事。」
「逆風」の二つ目の意味は「不利な状況。進行を妨げる出来事。」です。
まるで強い風を受けるように反対意見や批判を強く浴びる状況を言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これならまだ逆風の方が楽かもしれない。いっそあきらめがつく。
(出典:佐藤大輔『皇国の守護者1 反逆の戦場』)
・スペインでプレーする外国人への逆風に対して同情している様子はない。
(出典:野沢尚『龍時(リュウジ)1─2』)
・資本のストックが多く、無借金経営に徹してきた企業は逆風にも耐えられる。
(出典:山田智彦『銀行 男たちのサバイバル』)
・それは逆風の中の年月を飛び越えて、幼なじみのカズの心を震わせた。
(出典:宮部みゆき『模倣犯-下』)
類語
・冷評(れいひょう)
意味:冷淡な態度で批評すること。(出典:デジタル大辞泉)
・シュプレヒコール
意味:集会やデモなどで、参加者がいっせいにスローガンを唱えること。(出典:デジタル大辞泉)
・批判(ひはん)
意味:良し悪し、可否について論ずること。あげつらうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・痛論(つうろん)
意味:手厳しく論じること。また、その議論。(出典:デジタル大辞泉)