辞世の句
「辞世の句を残す」などのように使う「辞世の句」という言葉。
「辞世の句」は、「じせいのく」と読みます。
「辞世の句」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辞世の句」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
辞世の句の意味
「辞世の句」には次の意味があります。
・死を前にしてこの世に書き残された詩的な短文のこと。和歌、俳句、漢詩など音韻を重視したものであることが多い。東アジア固有の風俗とされ、特に中世以降の日本において多く作られた。広義には、死を意識せずに書いた生涯最後の短型詩なども辞世の句とされることもある。(出典:知恵蔵mini)
詩的な遺書のようなものですが、死を意識せずに書いた生涯最後の詩歌なども含まれる場合があります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分達の人生に残す遺書であり、辞世の句でもあったのだろう。
(出典:柄刀一『400年の遺言 死の庭園の死』)
・上杉謙信は死ぬ数日前に、辞世の句をつくっていた。
(出典:池波正太郎『蝶の戦記 下』)
・辞世の句の用意をしていたほうがいいかもしれない。
(出典:谷川流『4 涼宮ハルヒの消失』)
・病床で街の興奮を耳にした豊吉はこんな辞世の句を残して、十二月一日に亡くなった。
(出典:勝田龍夫『重臣たちの昭和史 上』)
・それと同時に、辞世の句まで回文とした馬琴の怪物めいたぬけぬけしさが目に見えるようだった。
(出典:泡坂妻夫『喜劇悲奇劇』)
類語
・遺詠(いえい)
意味:故人が生前に詠んだ詩歌。また、辞世の詩歌。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・白鳥の歌(はくちょうのうた)
意味:死ぬまぎわに白鳥がうたうという歌。その時の声が最も美しいという言い伝えから、ある人が最後に作った詩歌や曲、また、生前最後の演奏など。(出典:デジタル大辞泉)
・遺書(いしょ)
意味:死後のために書き残す文書や手紙。書き置き。遺言状。(出典:デジタル大辞泉)
・遺言(ゆいごん)
意味:死後のために生前に言いのこすことば。いげん。いごん。ゆいげん。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・レクイエム
意味:カトリック教会・ルター派教会・聖教会の一部で行なわれる死者のためのミサ。入祭文が requiem (安息を)で始まるところからいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)