辛酸を嘗める
「借金まみれで辛酸を嘗める」などのように使う「辛酸を嘗める」という言葉。
「辛酸を嘗める」は、「辛酸」は音読み、「嘗める」は訓読みで「しんさんをなめる」と読みます。
「辛酸を嘗める」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辛酸を嘗める」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
辛酸を嘗めるの意味
「辛酸を嘗める」には次の意味があります。
・つらいめにあう。苦しいことを経験する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「辛酸を嘗める」をわかりやすく言うと「苦しくつらい経験をする」という意味です。
「辛酸」は「苦しくつらいこと」、「嘗める」は「経験する」を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・戦争のおかげで辛酸を嘗め、暗黒の青春を送った彼女はその反動で快楽主義者となった。
(出典:酒井美意子『ある華族の昭和史』)
・各地を流浪して、非常の辛酸を嘗めたように伝えられている。
(出典:岡本綺堂『明治劇談 ランプの下にて』)
・探検隊の人々自身もなんのためにこの辛酸を嘗めているかは知らないのである。
(出典:寺田寅彦『柿の種』)
・若い時から世の辛酸を嘗めつくしたためか、母の気性には濶達な方面とともに、人を呑んでかかるような鋭い所がある。
(出典:有島武郎『私の父と母』)
・正直、導果には辛酸を嘗めさせられてきたが恨みは微塵も感じなかった。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録09 刃を砕く復讐者(下)』)
類語
・憂さ(うさ)
意味:気持ちが晴れないこと。思うに任せない、つらい気持ち。(出典:デジタル大辞泉)
・息苦しい(いきぐるしい)
意味:圧迫感があって息が詰まるような感じである。(出典:デジタル大辞泉)
・天を仰ぐ(てんをあおぐ)
意味:嘆いて、神に訴えるように顔を上方へ向ける。(出典:デジタル大辞泉)
・重荷(おもに)
意味:能力をこえた大きな責任。(出典:デジタル大辞泉)
・火宅(かたく)
意味:仏教用語。人々が,実際はこの世が苦しみの世界であるのに,それを悟らないで享楽にふけっていることを,焼けつつある家屋 (火宅) の中で,子供が喜び戯れているのにたとえた言葉。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)