辛酸
「辛酸をなめる」などのように使う「辛酸」という言葉。
「辛酸」は、音読みで「しんさん」と読みます。
「辛酸」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辛酸」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
辛酸の意味
「辛酸」には次の意味があります。
・つらく苦しいこと。辛苦。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「辛酸」をわかりやすく言うと、辛かったり苦しかったりすること、という意味です。
「酸」の字には「つらい」という意味があり、「辛酸」は同じ意味の漢字を重ねた二字熟語です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして目を覆いたくなるような、辛酸を極める拷問をするのが彼らのやり口だった。
(出典:西尾維新『伝説シリーズ 1 悲鳴伝』)
・わたしも彼女も二人とも辛酸をなめてきたため、すっかりまいっていた。
(出典:E・R・バローズ『創元初訳版/金星シリーズ(全5巻) 3 金星の独裁者』)
・今の辛酸も、かくまで呪われた恋の不幸さも、忘れていた。
(出典:吉川英治『牢獄の花嫁』)
・わたくしたちがなめさせられた辛酸のお返しを、今からすませてやる。
(出典:荻原規子『西の善き魔女5 闇の左手』)
・そこでまた現役にもどり、辛酸の年月とともに、としをかさねたのだった。
(出典:A・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号』)
類語
・苦渋(くじゅう)
意味:苦しみ悩むこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・苦杯(くはい)
意味:にがい酒を入れたさかずき。転じて、にがい経験。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・辛労(しんろう)
意味:つらい苦労をすること。大変な骨折りをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・辛苦(しんく)
意味:つらいめにあって苦しむこと。また、そのさま。つらい苦しみ。艱難。困苦。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・困窮(こんきゅう)
意味:困り果てること。困り苦しむこと。(出典:デジタル大辞泉)