辛苦
「営々辛苦」などのように使う「辛苦」という言葉。
「辛苦」は、音読みで「しんく」と読みます。
「辛苦」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辛苦」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
辛苦の意味
「辛苦」には次の意味があります。
・つらく苦しい思いをすること。また、その苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)
「営々辛苦」の「営々」には「ずっと続く」という意味があります。「営々辛苦」を簡単に言うと「つらい苦しみがずっと続く」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして傾奇者とは、この「辛苦みつつ降りき」という男の末裔なのだ。
(出典:隆慶一郎 『一夢庵風流記』)
・短い期間ではあったが、男は殉教者のそれとかわらぬ辛苦を嘗めた。
(出典:太宰治 『花燭』)
・また、一人で両親を兼ねたような父吉左衛門が養育の辛苦を想像する年ごろにも達していた。
(出典:島崎藤村 『夜明け前』)
・辛苦に耐え、因襲を打ち破った者にこそ、次の時代の覇者たる資格が備わる。
(出典:福井晴敏 『∀ガンダム(下)』)
・まるで、その場にいること自体が辛苦《しんく 》であるかのように、大急ぎで。
(出典:高橋弥七朗 『灼眼のシャナ 第14巻』)
類語
・艱難(かんなん)
意味:困難に出あって苦しみ悩むこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・困苦(こんく)
意味:困り苦しむこと。また、そのような状態。(出典:デジタル大辞泉)
・苦杯(くはい)
意味:にがい酒を入れたさかずき。転じて、にがい経験。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・惨苦(さんく)
意味:いたましい苦しみ。ひどい苦労。(出典:デジタル大辞泉)
・試練(しれん)
意味:さまざまなことを試みて人をきたえること。また、ある事を成し遂げたり人生を送っていったりする上でぶつかる苦難。それによって精神的にきたえられる場合についていう。
(出典:精選版 日本国語大辞典)